神奈川県内の小田急小田原線・小田急相模原駅で2017年2月28日朝に乗客同士のトラブルがあり、その影響もあって、最大で80分の大規模な遅延が発生した。
「なんか小田急線めっちゃダイヤ乱れてる」「BBAふたりが殴る蹴るの喧嘩」「いい加減にしてほしい」。ラッシュ時とあって、ツイッターなどでは、通勤・通学客らから悲鳴が上がり、トラブルを起こした乗客への非難の声も相次いでいる。
別の駅では、ドアが閉まらなくなる
事実関係ははっきりしないが、ツイッター上の情報によると、トラブルがあったのは、相模原駅6時57分発の予定だった本厚木発新宿行きの上り準急電車内だ。女性客が別の女性客に「蹴られた」などと騒ぎ出し、「降りろ」「降りない」と口論になったという。女性客の1人は、ぶつかってケガをしたとも主張し、若者が止めに入ったが、2人は「ふざけるなよ!」とヒートアップした。
駅員らしき人が来て2人を降ろしたが、「タクシー代出してよ!あいつ追っかけてやる!」と叫んだ。駅員に対しても、「被害届出してもいいですよね!」と怒鳴り散らしていたという。
準急電車は、10分ほど遅れて出発し、各駅ではホームが混雑してきた。神奈川県内の登戸駅にこの電車が30分近く遅れて着くと、今度は、ドアの1つが閉まらなくなった。すし詰め状態の人の圧力で故障したのではないかとされ、駅員6人が来て修理していたという。
ツイッターの実況中継では、「登戸カオスなんだけどナニコレ」「新宿駅にはいつ着くかなー」「一旦遅れだすとダラダラと遅延不可避」といった不満が次々に書き込まれ、中には、試験や終業式の時間を気にする声もあった。
トラブルを起こした乗客に対しては、「定期券3か月発行停止とかペナルティ与えられないの?」「小田急電鉄は損害賠償請求して良い」「罪に問えないものか・・・」などの批判が巻き起こっている。
「連絡先は聞けず、警察も呼べていなかった」
小田急電鉄の広報部では2月28日、J-CASTニュースの取材に対し、駅の係員がホーム上で乗客同士のトラブルの仲裁に入ったことは認めた。しかし、トラブルの状況については、まだ確認しており、詳細は答えられないとした。
登戸駅でのことについては、「ドアが開くときにすき間の戸袋に小さなものが挟まり、除去に時間がかかって30分ほど停車したと聞いています」と説明した。乗客同士のトラブルで電車がすし詰め状態になったことが影響した可能性もあるという。遅延が拡大したのは、駅に多数の乗客がいて停車の時間が延び、ラッシュ時で本数が多く後続の電車が詰まったことなどが考えられるとしている。
トラブルを起こした乗客については、急いでいたため名前や連絡先などを詳しく聞けていないとし、何らかの対応をすることはできないとした。乗客トラブルは、警察の管轄だとしているが、今回は警察を呼べていなかったという。ただ、乗客の1人から警察に連絡すると聞いたとしている。女性客がケガしたとしていたことについては、確認できていないそうだ。
小田急小田原線では、2月22、25日に和泉多摩川駅で連続して人身事故が起き、このところ電車の遅延が続いている。ネット上では、人が集まりすぎているため、遅延が酷くなるのではないかとの声も出ている。
小田急電鉄広報部では、18年3月に和泉多摩川―東北沢両駅間の10.4キロで複々線化される予定で、上下線が2本ずつ運行して輸送改善が図られると説明する。具体的には、ラッシュ時は電車を増発して混雑が緩和されるほか、各駅停車が急行などを待つことがなくなって所要時間が短縮されるとしている。