小池百合子東京都知事と自民党都連の「代理戦争」となった千代田区長選挙が、2017年2月5日に投開票され、小池知事の支援を受けた、無所属・現職の石川雅己氏(75)が当選確実となった。NHKなど各メディアが一斉に報じた。
「都民ファースト」をうたう小池知事の改革路線にとって、7月の都議選に向けて追い風となりそうだ。都議会自民党は、これまで「ドン」が君臨していた千代田区で擁立候補が敗れ、逆風が鮮明になった。
石川氏、1期目は自民支援で当選
区長選の候補者は、石川氏に加えて、自民党の推薦を受けた無所属・新人の与謝野信氏(41)、無所属・新人の五十嵐朝青氏(41)の3氏。与謝野氏は元衆院議員の与謝野馨氏(78)のおいで、馨氏が地盤にしていた千代田区での出馬には「世襲」との声も出ていた。
また千代田区は、「都議会自民党のドン」とよばれる、都連前幹事長の内田茂都議(77)のおひざ元。内田氏は16年7月の都知事選で、擁立した増田寛也氏が落選した責任を取り、幹事長を辞任している。そこにきての区長選敗北で、より苦境に立たされることになる。
5選目を果たした石川氏は、都庁出身の元公務員だ。01年に自民党の支援を受けて初当選したが、後に自民党とたもとを分かち、13年の区長選では自公推薦候補を破っている。つまり前回に続き、千代田区民は自民に「NO」を突き付けた。
小池都知事は都議選に向け、政治団体「都民ファーストの会」で大幅な議席確保を狙っている。石川氏の「前哨戦」での勝利によって、小池都政の行方も変わってくるだろう。