首相の顔した「晋ゴジラ」 吉田照美氏「ニュース油絵」公開した理由

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   フリーアナウンサーの吉田照美さん(65)が公開した油絵作品がインターネット上で物議を醸している。

   タイトルは「この世界の片隅の君の名は、晋ゴジラ」。その名のとおり、大ヒット劇場アニメ「この世界の片隅に」と「君の名は。」、そしてゴジラシリーズの最新ヒット作「シン・ゴジラ」の要素を取り入れた作品で、中央で存在感を放つゴジラは安倍晋三首相の顔をしている。

  • 吉田照美さん作「この世界の片隅の君の名は、晋ゴジラ」
    吉田照美さん作「この世界の片隅の君の名は、晋ゴジラ」
  • 「ニューズ・オプエド」内のコーナーで最新作を紹介(画像はYouTube公式動画のスクリーンショット)
    「ニューズ・オプエド」内のコーナーで最新作を紹介(画像はYouTube公式動画のスクリーンショット)
  • 吉田照美さん作「この世界の片隅の君の名は、晋ゴジラ」
  • 「ニューズ・オプエド」内のコーナーで最新作を紹介(画像はYouTube公式動画のスクリーンショット)

「このゴジラは、息を吐くように嘘をつく」

   2005年頃から本格的に油彩に取り組み、「三軌展」などでの入選経験もある吉田さん。個展では風景画や人物画を中心に展示販売しているが、一方で力を注いでいるのが、時事ネタをテーマにした「ニュース油絵」シリーズだ。

   今回注目を集めた油絵は同シリーズの最新作で、2017年1月13日に公式の個人サイト上で公開した。同日には、ジャーナリストの上杉隆氏がアンカーを務めるネット配信ニュース番組「ニューズ・オプエド」の「ニューズ油絵」コーナーでも披露した。

   作品は「この世界の片隅に」「君の名は。」のメーンビジュアルをモチーフにしており、下方には「この世界~」の主人公・北條すずが、左右には「君の名は。」の立花瀧と宮水三葉が忠実に描かれている。その中央で圧倒的な存在感を示しているのが「晋ゴジラ」――安倍首相の顔をした巨大なゴジラである。

   吉田さんは公式サイト上に作品に関するコメントを掲載。「キネマ旬報ベスト10」(1月10日発表)の結果に触れた後、3作には次のような「共通点」があると指摘した。

「『この世界の片隅に』は、広島の原爆、『君の名は』は、福島の原発事故を想像される出来事がモチーフ、『シン ゴジラ』は、核実験の放射線から生まれた巨大生物」

   その上で「晋ゴジラ」については、先日、安倍首相がフィリピンに1兆円規模の支援を表明したことも持ち出しながら、

「このゴジラは、息を吐くように嘘をつき、自分のお金のように国民の税金を外国にばら撒きます」

と説明している。

「ウィットに富んだ絵」「ユーモアのかけらも無い」

   吉田さんは13日、ツイッターにも同じ作品画像を投稿。こちらでは「あえて、解説は載せません」として説明を避けたが、個人サイトと同じく、安倍首相に対する批判意識があることは明らかだ。

   ツイートは注目を集め、

「なるほど晋ゴジラか。言い得て妙」
    「ウィットに富んだ絵ですね。素晴らしい」
    「核を欲して民主主義と平和を破壊するゴジラか」

といった称賛や同意のコメントが寄せられたが、一方では

「作品の『話題性』だけに憑依して自身のプロパガンダに利用しただけ」
    「政治的な2次利用は制作者の意図ではないはずです 即刻、やめてほしい」
    「ユーモアのかけらも無く、風刺画としては稚拙そのもの」

といったネガティブなコメントも少なくなかった。著作権上の問題を指摘する声も目立った。

   吉田さんは批判的なリプライ(返信)を飛ばした何人かのユーザーを「ブロック」したものの、直接的な反応は示していない。そこでJ-CASTニュースは17日、吉田さんに取材した。

吉田さん「表現の自由の範囲内だと思っている」

   まず「著作権問題」や「政治的意味合いを持たせた二次利用」への批判について、見解を尋ねると、

「この絵で、お金儲けをしているわけではなく、自分の表現をしたということで、それぞれの映画の作品の責任者の方から、直接お話があれば、逃げも隠れもしません。三作品とも、素晴らしい、大好きな作品です」

と答えた。ニュース油絵シリーズは、今作に限らず販売を行っていない。

   そして吉田さんは「表現の自由の範囲内だと思っております」とし、

「ネトウヨの人たちは、歴史を学んで下さい。戦時中、簡単に、他人を非国民呼ばわりした人と同じことをやっているわけです。あなたがたも、僕と同じ扱いを、国から受けるだけ。何ら優遇されませんよ。一切、見返りを期待し無い方がいいですよ」

とコメントした。

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