菅義偉官房長官は2016年12月26日の記者会見で、安倍晋三首相の真珠湾訪問に関連して、過去に鳩山一郎元首相、岸信介元首相も真珠湾に面した米太平洋軍司令部を訪れていたと明らかにした。
菅氏は外務省が当時の報道などの資料を確認した結果、鳩山氏が1956年、岸氏が57年に同軍司令部を訪問した記述があったと説明。菅長官は16日の記者会見で吉田茂元首相も1951年に同司令部を訪問していたと述べており、これまで3人の現職首相が真珠湾を訪れていたことになる。菅氏は記者会見の中で、安倍首相が28日に真珠湾攻撃の犠牲者を追悼するアリゾナ記念館を訪問することについて、
「当時はアリゾナ記念館が建設されておらず、記念館で現職の総理大臣が慰霊を行うのは安倍総理大臣が初めての機会であり、米大統領とともに慰霊を行うのも初めて」
などと改めて意義を強調した。
現職首相の真珠湾訪問を巡っては、安倍首相の訪問が決まった直後は、報道各紙が「現職首相としては初」と報じたが、過去に吉田氏が真珠湾を訪問していたとする報道もあったことなどから、「現職初」の事実確認を求める動きがあった。菅長官は8日の会見では吉田氏の真珠湾訪問について、
「真珠湾は範囲が広いものですから、訪問したかどうかは確認できていない」
という見解を示していたが、16日の会見で吉田氏の訪問を確認したとしていた。22日には米ハワイの邦字日刊紙「ハワイ報知」が鳩山氏と岸氏が真珠湾を「公式訪問」していたと報じていた。