「NAVERまとめ」もついに動いた――DeNA(東京都渋谷区)の医療情報サイト「WELQ」の炎上問題をきっかけに、いわゆる「キュレーションサイト」全般の情報の正確さや、著作権侵害などが議論を呼んでいる。
そんな中、キュレーションサイトの代表格として知られる「NAVERまとめ」について、運営するLINE(東京都渋谷区)は2016年12月5日、サイト運営に関する「新方針」を発表した。
「まとめ」作成者はランク付け
5日、東京都内で催されたLINEの記者発表会で、LINEの島村武志・上級執行役員が明らかにした。
新方針の骨子は、大きく分けて2つ。1つは、「まとめ」の作成者に、その専門的知識や経歴などを審査して「オーサーランク」を適用することだ。現在も行っている広告収益の分配(インセンティブ)の金額を、このオーサーランクに応じて決定することで、情報の正確性の向上を図るとした。
また、これまでは情報を「まとめられた」他サイトなどへのメリットが小さかったが、新たに、こうした情報元となりうるサイトからあらかじめ「オーサー登録」を受け付ける。これにより、情報元サイトが「まとめ」に使っていいコンテンツの範囲などを設定することなどが可能になり、また実際に「まとめ」で取り上げられた場合、インセンティブをまとめ作成者だけでなく、情報元サイトにも支払うという。
これらの新方針は、2017年内の運用開始を目指すとしている。
改めての記事削除などは行わない
島村氏は、「NAVERまとめ」が、問題になっている他の「キュレーションサイト」と違い、企業が主体的に運営するメディアではなく、ユーザーの投稿による「プラットフォーム」であることを強調。一方で、これまでにも問題のある投稿については厳格な対応を取ってきたとし、改めて公開中の「まとめ」などを削除する考えはないとした。
この日の会見は、LINEが運営する「LINEアカウントメディア」についての記者発表会として催されたものだったが、急遽NAVERまとめについての説明が行われる形となった。
この問題をめぐっては、DeNAが「WELQ」を含む9メディアを閉鎖、また主力サイトである「MERY」も7日付で非公開にすることを5日発表している。このほか、サイバーエージェントやリクルートホールディングスなどが、運営するメディアの一部記事を削除するなど、波紋が広がっている。