DeNAは、子会社のペロリが運営する女性向けファッション情報サイト「MERY」に関し、「規約違反の可能性があった」として、記事を大量に削除した。J-CASTニュースがグーグルキャッシュを使って調べたところ、「ファッション」ジャンルだけで、2016年12月2日17時までに、11月27日には4万4248件あった記事が、8439件と8割以上も減っている。
同社は他サイトからの文言転用や不正確な情報発信が認められたとして、9つのメディア(WELQ、iemo、Find Travel、cuta、UpIn、CAFY、JOOY、GOIN、PUUL)を非公開化したばかり。「MERY」はどうなるのか。
著作権侵害やプライバシー侵害の「規約違反」
MERYは13年4月にリリース。15年12月、16年4月と2度にわたってテレビCMを放送し、着実に訪問者数を伸ばしていた。運営元は、DeNAに14年に買収されたペロリ。
サイトの中身は、ファッションや美容、恋愛にまつわる9ジャンルの「まとめ記事」。DeNA広報部によると、これが編集部名義の記事、ユーザーの自由投稿記事、外部ライターの執筆記事、スポンサー作成記事の4種類で構成されていたという。
12月1日までに非公開化された9媒体と違い、「継続」が発表されていたMERY。記事の大量削除を決めた理由は、一体何か。DeNA広報部は12月2日、J-CASTニュースの取材に対し、
「削除された記事の数は答えられないが、(MERYは)投稿型プラットフォームのため、規約違反のもの、規約違反の可能性があるものが見つかった」
「規約違反」の中身は「著作権侵害、プライバシー侵害など」だったという。しかし、広報部は「現時点で閉鎖という判断はありません」と明言する。
「9媒体に関しては、編集部から外部ライターへの発注内容に『他サイトからの転用を推奨していると捉えられかねない』点を確認できた一方、MERYの場合、そうした部分がないと判断した」
つまり、MERYと他の媒体を分けた点は、外部ライターへの発注方法だったというわけだ。広報部は今回の大量削除について、「ペロリ側の体制を強化する意味合いもある」と話した。
「キュレーションって、そういうものだという認識だった」
一方、取材の中で、「不誠実」と捉えられかねない記事作成プロセスも明らかとなった。
広報部によると、ユーザーの自由投稿記事と外部ライターへの発注記事は見た目で区別できない状態になっていたという。
担当者はこの点について、
「キュレーションって、そういうものだという認識でした」
と語った。
ともあれ、同社は「現場以外の人物も加えた」(広報部)、「キュレーション管理委員会」を設置し、MERYを含む自社メディアの運営体制について協議していく方針だ。