DeNA(東京都渋谷区)の運営する医療情報サイト「WELQ」に、著作権侵害や不正確な情報発信が指摘された問題をうけ、同社は2016年12月1日、新たに、運営する8つのメディアを同日18時にすべて非公開とした。「WELQ」は11月29日に閉鎖していた。
同日発表されたプレスリリースの中で守安功社長は、「今回の事象に対して、速やかに対応できず、非常に大きな混乱を招いてしまったのは、私自身の判断の甘さによるもの」と謝罪し、月額報酬の30%を6か月間減額すると声明を出した。
「他サイトからの文言転用を推奨、と捉えられかねない」点を確認
発表によると、DeNAは今回の騒動をうけてWELQと共通する運営体制・方針の8媒体(iemo、Find Travel、cuta、UpIn、CAFY、JOOY、GOIN、PUUL)に関しても社内調査を実施。
その結果、「マニュアルやライターの方々への指示」で、「他サイトからの文言の転用を推奨していると捉えられかねない点」が確認できたという。
守安社長は「この点について、私自身、モラルに反していないという考えを持つことができませんでした」としている。
今後は、守安社長を委員長とする「キュレーション管理委員会」を設置し、ファッション情報サイト「MERY」を含む全ての運営メディアについて「運営のあり方を抜本的に見直し、自分自身として心の底から自信の持てるプロセスを構築していく」という。
WELQの記事をめぐっては、人の生死に直結する分野を扱いながら、不正確な情報発信や他サイトからの記事転用が指摘され、そうした記事をSEO(検索エンジン最適化)による検索表示順位で極端に上昇させていたことも問題視されていた。
こうした背景もあり、同社は11月29日、WELQの全記事を非公開とし、販売されていた広告商品の取り扱いを停止していた。
「MERY」は「運営方針も違うので、継続を決めた」
「キュレーション管理委員会」で見直される「メディア運営のあり方」とは具体的に何なのか。DeNA広報部の担当者は12月1日、J-CASTニュースの取材に対し、「専門領域に関する専門家の監修を入れていく」「ご指摘頂いている他サイトからの転用を含め、記事作成フローをチェックする」という2点を強調した。
「他サイトからの文言の転用」の説明を求めると、「こちらとしては外部ライターの方々に『参考としてください』『自分の言葉で書いてください』と指示をしていたが、そう捉えられていないところがあった」と語った。
なお、MERYが完全閉鎖を免れた理由については、「オフィスも物理的に離れており、9媒体とは運営方針も違うので、継続を決めた」と説明している。加えて、今回の非公開化は「完全閉鎖」であるとした。