日本教職員組合(日教組)は2016年11月30日、岡本泰良(やすなが)委員長が辞任を表明した、と公式ホームページで発表した。岡本氏は、週刊新潮に「ダブル不倫」や、組合費の私的流用疑惑などを報じられていた。
岡本氏は新潮報道後、コメントなどは発表しておらず、体調不良を理由に会議などの組合職務を休んでいた。
新潮記事では「俺、知らないよ」
週刊新潮(10月20日号)は、「色と欲『日教組委員長』のお好きな『池袋ラブホテル』」などの見出しで、岡本氏と女性が2人並んで歩く写真(前からと、後姿の2枚)も載っている、4ページにわたる特集記事を掲載していた。
新潮記事では、岡本氏が、夫がいるホステスの「40代前半と思しき」女性とラブホテル(記事では「旅籠」)に入るなど「ダブル不倫」の関係にあるとし、クラブなどでの飲食代に組合経費を使っている疑惑も報じている。
さらに現場報告として、岡本氏が女性と2人でラブホテルに別々に入ったうえで、「中ですぐに落ち合い」、(略)「廊下の奥に吸い込まれていった」といった描写もある。後日、岡本氏にくだんの女性との関係を質問したり、ホテル現場での写真を見せたりしたところ、岡本氏が「俺、知らないよ」「(ホテルの外観を)見てるだけじゃないか。知らないよ、そんなの」などと答えた、とも伝えている。
今回の辞任発表で、日教組側は辞任理由について、
「一連の報道によって、組合員や関係団体に対して心配や不信感を抱かせたことは、日本教職員組合の中央執行委員長としてあってはならないことです。11月29日、社会的責任を重く受け止めるとして本人から辞意表明がありました」
と説明している。
一方で、組合費流用疑惑については
「適切な会計処理がなされ、財政規律が確立されていることが再確認されました」
としている。
当面、3人いる副委員長のうち、岡島真砂樹副委員長が委員長の任務を代理するとしている。 そのうえで、一連の事態について、日教組は
「全国の教職員をはじめとする教育関係者、子どもたち、保護者、連合に結集する仲間のみなさんに不信感を抱かせたことを深くお詫び申し上げます」
と謝罪した。
岡本氏は大分県教組出身で、16年4月に委員長(任期2年)に就任した。日教組は、1947年に結成された日本最大の教職員組合。組合員数は、文科省が3月に公表した資料によると、2015年10月現在で約24万7000人。前年同期より約5600人減っている。