テーマパーク「スペースワールド」(福岡県北九州市)が氷漬けの魚の上をスケートで滑るイベントを中止した問題に関し、同市観光大使でご当地ヒーローの「キタキュウマン」が言及した。
開催後すぐ、ネット上で「残酷だ」との批判が殺到したこのイベント。キタキュウマンは「昆虫標本」や「毛皮」を引き合いに出し、「この企画の何が問題だったかを的確に理論的に説明できる人はいるだろうか」と問題提起している。
キタキュウマンは観光大使
イベント中止が発表された2016年11月27日の翌28日、キタキュウマンはツイッターで、「この企画の何が問題だったかを的確に理論的に説明できる人はいるだろうか。残酷だからダメ?じゃあ昆虫採集→標本はいいの?」とフォロワーに問いかけた。
さらに、「私たちは普段から、・動物をペットと称し監禁し・オシャレと称し毛皮をまとい(革靴もレザーバッグも生き物の皮膚です) ・毎年600万t以上の食品を無駄にしているということを忘れてはいけない。その上でスペースワールドに対し『魚がかわいそうだ』と胸を張って言える人がいるだろうか」と続け、
「単純に『死骸の上を滑るのは気持ちが悪い』『申し訳ない気分になる』人がそういう感情を持つのは勝手。そう感じるのは当たり前。ただ私は、生き物の命うんぬんを、ここぞとばかりにスペースワールドに偉そうにぶつけられるような、そんなできた人間が今の日本にいるとは思えないと言いたいだけだ」
と訴えた。
スペースワールドは12日から、氷漬けにされた魚の上をスケートで滑るイベント「アイススケート フリージングポート~氷の水族館~」を催していたが、ネット上を中心に「残酷」との批判が殺到。27日にイベント中止を発表している。
ネット上では、同園への批判や、批判に対する反論が今なお飛び交い、大きな議論となっている。キタキュウマンのツイートは、こうした論争に1つの区切りをつける意味合いがある。
キタキュウマンの正体は、自身のフェイスブック(FB)によると、同市出身の20代男性。自作スーツを着用し、13年1月から同市のPR活動を個人的に行ってきた。そうした業績が認められ、14年5月、北橋健治市長から観光大使に任命されている。ツイッターアカウントに「公式マーク」は付いていないが、フォロワー数やツイート内容から、キタキュウマン本人が管理しているものとみられている。