初出場アーティストの増加、大御所の落選が目立った2016年の紅白歌合戦。出場者発表は、各アーティストのファンの明暗を分けた。
「メタルとダンスの融合」を掲げて海外でブレイクしたダンスユニット「BABYMETAL」(ベビメタ)は、出場を確実視されながら落選したグル―プの1つだ。しかし、ファンの多くは意外にも「ほっとした」「出なくてよかった」と安堵している。
話題性や実績は十分だったが...
BABYMETALをめぐっては、「アイドルユニットでありながら高い音楽性も人気で、日本と海外の懸け橋になる」(16年10月19日付け「週刊女性PRIME」)、「今回、はじめて出演するのではと話題になっている」(11月14日付け「リアルライブ」)と、紅白出場を予想する報道が少なくなかった。
確かに、4月1日リリースのセカンドアルバム「METAL RESISTANCE」が日本人としては故・坂本九さん以来、53年ぶりにアメリカ・ビルボード誌の総合アルバムチャートでトップ40にランクインするなど、話題性、実績は十分だった。
しかし、11月24日に発表された出場歌手一覧にその名前はなく、惜しくも「落選」。リアルライブの同日付け記事は「声がかかったものの辞退したとしか考えられない」といった識者の声を伝えている。予想外の結果は各方面に衝撃を与えていた。
老若男女が見る紅白にはふさわしくない
しかし、ベビメタファンの反応は冷めていた。出場歌手発表後のツイッターでは
「紅白に出てもプラスにはならない」
「ファンとして良かったと思う」
「逆に正解かも」
「出なくてよかった」
「落選ほっとした」
と安堵の声が相次いでいる。背景に、BABYMETALは紅白のイメージと合わない、というファン内部の認識があるようだ。
楽曲は激しい曲調のヘヴィーメタルで、衣装も魔女や悪魔をイメージした派手なもの。老若男女が見る紅白にはふさわしくない。そうした声は少なくない。
ともあれ、BABYMETALは12月頭から、アメリカの人気ロックバンド「RED HOT CHILI PEPPERS」(レッチリ)のイギリスツアーにスペシャルゲストとして帯同することが決まっている。
ツイッターを見る限り、ファンの関心は今のところ、「紅白」よりそちらである。