そばの茹で汁を飲む彼氏を「受け入れられそうにない」――。そばを茹でた汁を「そば湯」として飲む習慣を知らない女性が書いたブログ記事が、いまインターネット上で波紋を広げている。
一口飲めば職人の腕が分かるともいわれる「そば湯」。専門店ならば必ずと言っていいほど出てくるものだけに、ネット上では「そば湯を知らない人がいるのか」と驚く声が広がっている。
「そばの茹で汁を平気で飲む彼氏」
話題のブログは2016年11月7日、「そばの茹で汁を平気で飲む彼氏」というタイトルで「はてな匿名ダイアリー」に投稿された。その全文は、
「育ってきた環境の違いなのか、そばの茹で汁を飲む人をはじめてみた。そば湯だからと言うのだけど、茹で汁ごときを健康に良いといって平然と飲む姿を受け入れられそうにない」
というもの。タイトルを含めても100字に満たない短い文章だが、恋人が「そばの茹で汁」を飲んだことに対する驚きや不快感がストレートに表現されている。
こうしたブログをめぐり、ネット上では「そば湯を知らない人がいるのか」という驚きの声が相次いだ。ツイッターやネット掲示板には、
「まともな蕎麦屋行ったこと無いんじゃないのか」
「そば湯って当たり前に出てくるものだと思ってた」
「そば湯知らんとかどんな人生歩んだらそうなるのか」
といった意見が殺到。ツイッターのトレンドワードにも一時「そば湯」という言葉が登場するほど、数多くの書き込みが寄せられた。
だが一方で、数は少ないながらも「そば湯って何」「名前しか知らない」といった声も出ている。実際、J-CASTニュースが14日に北海道、大阪、福岡のそば専門店3店に取材したところ、どの店の担当者も「ごくたまにですが、そば湯を知らない客がいることは確かです」と話していた。
西日本では、そばより「うどん」
さらには、今回の「そば湯ブログ」をめぐり、関東と関西の「食文化の違い」にまで言及する意見も目立ち始めた。一部ニュースサイトがこのブログを取り上げた際に、そば湯を飲む風習について「西日本では(略)そこまで一般的ではないようだ」と伝えたためだ。
記事の中では、関西でそば湯が一般的ではない根拠として、ネットの書き込みや福岡出身の女性1人の話などを紹介している。こうした記事を受けて、ツイッターなどには、
「西日本行くと蕎麦屋少ないな~と感じてたけどそば湯文化まで無かったのか」
「そば湯って関東主流の文化だったのか...」
「そば湯って思ってるより、ローカルな風習なのかも」
といった声も出ている。
だが、本当に「そば湯」に地域差などあるのだろうか。そば文化の普及活動をしている一般社団法人「全麺協」の担当者は取材に対し、「西日本にはそば湯がないといった話は、これまでに聞いたことがありません」と否定する。続けて、
「そもそも西日本ではあまりそばを食べず、うどんを食べる人が多いので、そもそも『そば湯』を出すような専門店に行くことが少ないのでは」
と推測していた。さらに、先述した大阪と福岡のそば専門店も「『そば湯』を出さない専門店は、これまでに見たことがない」と話していた。
実際、ツイッターをみても「関西でもそば湯は昔からある」「そば店の数が少ないだけじゃないの」といった反論意見が数多く寄せられている。