博多陥没埋め戻しに「福島汚染土」のデマ フレコンバッグ写真きっかけに

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   JR博多駅前と中洲を結ぶ、通称「はかた駅前通り」で起こった陥没事故の復旧作業をめぐり、東京電力福島第一原発事故後の除染で撤去された「汚染土」が使われている、とのデマが拡散した。

   詳しい理由は不明ながら、除染時に使われたものと同じフレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)が現地写真に写りこんでいたためだとみられる。だが今回、復旧作業に使われた処理土は地元の建設業者が急きょ作ったものだ。

  • 発端となったツイート(すでに削除。編集部で一部加工)
    発端となったツイート(すでに削除。編集部で一部加工)
  • 発端となったツイート(すでに削除。編集部で一部加工)

「アホすぎて話にならない」

   16年11月8日に発生した陥没事故は、11日までに地表までの埋め戻しがほぼ完了。ライフラインの完全復旧へ向け、急ピッチで作業が進んでいる。その模様は、報道を通じて逐一伝えられている。

   一方、ツイッターでは

「マジで被曝列島の出来上がり」
「処分場になるのか」

といった声も広がった。

   きっかけは、作業現場に積み上げられていたフレコンバッグの写真だ。あるツイッターユーザーが写真を投稿し、「これを開封して穴を埋める?どうみてもフクシマの・・・フレコンパック(原文ママ)に酷似なんですが、ま・さ・か?」とつぶやいた。フレコンバッグの見た目だけで、福島第一原発事故と関連付けたわけだ。

   事故直後から「陥没した博多駅前の穴埋めに、除染の土が埋められないことを祈る」といったツイートが見られ、こうした人々がフレコンバッグ写真に素早く反応した。

   しかし、埋め戻しには、セメントと粘土を含んだ特殊な処理土が使われたと報じられており、この処理土は固まりやすく作り置きできないという。つまり、「埋め戻しに福島の汚染土が使われた」という主張はデマだ。

   実際、写真を投稿したユーザーには

「フレコンバッグは基本的に何でも入れられる」
「アホすぎて話しにならない」
「まだこんなこと言ってる奴がいるのか」

と投稿直後から批判が殺到した。こうした声をうけての対応か、ユーザーはすでにアカウントを削除している。

   なお、本件とは無関係ながら、事故後、復旧作業の様子を人気映画「シン・ゴジラ」に登場した「ヤシオリ作戦」(ゴジラの凍結作戦)と重ね合わせるファンも相次いだ。

 

   「シン・ゴジラ」は、ゴジラの吐き散らす放射能や、その後の冷却作戦など、福島第一原発事故を下敷きにした作品とも見られており、それが今回のデマ拡散の「下地」となった可能性もある。

姉妹サイト