トランプに「敗北」した米新聞メディア 「偏ったフィルター」だったのか

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   「メディアは不誠実、そして腐敗している。有権者には、それが分かっている」――米大統領選を通じ、そう主張していたドナルド・トランプ氏が、メディアによる自身の劣勢報道をはねのけた形で勝利を納めた。

   多くのメディア、特に新聞社がヒラリー・クリントン氏の支持を表明し、かつ各種世論調査で「クリントン氏優勢」を伝える中での「逆転」勝利だった。「トランプ大統領」とそれを選んだ米国世論に「新聞メディアが敗北した」とも言えそうだ。

  • 多くの新聞社が「クリントン氏優勢」と伝えていたが・・・
    多くの新聞社が「クリントン氏優勢」と伝えていたが・・・
  • 多くの新聞社が「クリントン氏優勢」と伝えていたが・・・

支持表明の新聞社、クリントン57社vsトランプ2社

   2016年11月9日(日本時間)朝から開票が始まった米大統領選は、接戦の末、トランプ氏勝利が決まった。

   主要メディア間では、直前までクリントン氏優勢・逃げ切りの見方が強く、たとえば投票直前の11月7日(現地時間)のニューヨーク・タイムズ(電子版)では、選挙キャンペーンの締めくくりにあたって「ヒラリー・クリントンからの楽観主義と、ドナルド・トランプからの暗黒」といった見出しの記事を配信していた。

   また、8日時点の世論調査でも、米政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の調査(平均支持率)で、クリントン氏45.5%、トランプ氏42.2%、とクリントン氏優勢の結果が出ており、こうした情報を多くのメディアが報じていた。

   トランプ氏陣営では、本人も含め、たびたび「メディアによる偏ったフィルター」などを口にし、批判してきた。トランプ氏は、大統領選のテレビ討論会の最終回(10月19日)にも、「メディアは不誠実、そして腐敗している」などと訴えた。

   それもそのはず、特に「新聞」では、トランプ包囲網といってよい程、氏に厳しい態度を示していた。米誌「THE WEEK」(電子版、11月7日)などによると、国内100大紙のうち、クリントン氏(民主党)の支持を表明(エンドースメント)した新聞は57社なのに対し、トランプ氏(共和党)支持はわずか2社。前回2012年の大統領選では、現職オバマ氏(民主党)支持41社に対し、ロムニー氏(共和党)支持は35社で、今回の両候補の差がいかに大きいかが分かる。

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