サントリー「金麦」の新CM公開を受け、インターネット上では、またもや例の議論が繰り広げられている。――なぜ「金麦」の檀れいは女性から嫌われるのか、についてだ。
2007年に同商品のイメージキャラクターに起用されて以来、60本以上のTVCMに出演している女優・檀れいさん(45)。♪ラーララッラ ラッラララ ラッララという「Bitter sweet Samba」の軽快なメロディーをバックに「金麦を用意して夫の帰りを待つ健気で明るい妻」を毎度演じてきた。
「男ウケ」を計算しているように見える
2016年10月31日からオンエアされている新CM「うちの鍋ちゃん」篇は、夫婦2人で鍋と金麦を楽しむという設定だ。
冒頭、夫目線のカメラが料理中の妻をとらえると「ふふっ 久しぶりだなぁ、こんなに見つめられるなんて...」と恥ずかしそうにつぶやく。そしてクスッと笑いながら指についた調味料をなめ、夫をチラッと見てはにかむ。終盤にはアツアツの具材を口に入れて、思わずむせ込む場面もある。
美味しい料理と金麦、そして可愛らしい妻...という、なんとも幸せな光景に心をつかまれた男性は少なくなかったようで、オンエア開始後はネット上に「可愛い」との声が複数上がった。
そうした中、週刊大衆のニュースサイト「日刊大衆」は11月6日、一部の女性から不満が上がっていると報じた。檀さんの「金麦」シリーズは毎度同性の不評を買うことで知られており、ネット上ではこれを機に「なぜ『金麦』の檀れいは女性から嫌われるのか」が改めて議論されることとなった。
中でも指摘が目立つのは、シリーズに共通する檀さんの「あざとさ」だ。CM中の仕草や台詞、年不相応な天真爛漫さは、すべて男ウケを心得た上での計算にみえるというのだ。最新CMで言えば「指ぺロからのチラッ」、熱いに決まっている具材でむせ込むドジッ子演出などがこれに当たるだろう。こうした痛々しさを伴う積極的なあざとさが、一部の女性たちに不快感を与えているらしい。
「そんな嫁、いるかよ!」
もう1つは「現実とのギャップ」。CM中の檀さんはおそらく専業主婦であり、おいしい料理と金麦を用意して夫の帰りを待つ献身的な妻だ。だが、共働きが当たり前になった今、こうした妻像は一昔前のものとも言える。それが理想像のように描かれていることに、現実を生きる女性たちはツッコまずにはいられなくなるようだ。
女性専用掲示板「ガールズちゃんねる」には「頭は悪くても、逆らわない、自分の事だけ一日中考えて、帰りを待ってる。女性の方はそんな嫁、いるかよ!って分かってるからイラつく」との意見が投稿されていた。
2010年には40代女性のこんな感想が東京新聞に掲載され、話題を呼んだ。
「毎回、妻役の女優が夫の帰りを笑顔で待っているという内容ですが、見ていて違和感を持ちます。気楽で甘えたような妻の姿に、イラつきさえ覚えます。最近は、夫の収入だけで生計を立てている家庭は少数派だと思います」(1月12日付)
――とはいえ、これはあくまでCMの世界の話。檀さん自身も2015年の夕刊フジのインタビューの中で
「普段の私とCMの私は、見ている方の中でイコールになりませんよね。あの世界観の中、一つの役と思っています。実際の私?あんなにテンション高くないです」
とコメントしており、あくまで金麦用のキャラクターと捉えているようだ。
だが、視聴者は必ずしも分けて考えはしないらしい。「週刊文春」が毎年実施している「女が嫌いな女」ランキングでは、2011年に30位、15年に20位と、複数回にわたってワースト30入りを果たしている。