今年も、ハロウィンで渋谷は大混乱――という「絵」を期待していた人々は、「初日」は空振りを食う形となった。
2016年10月28日、金曜日夜の渋谷駅前。冷たい雨が降る繁華街には、天候の影響か、例年のようなコスプレ姿の人々はあまり見られず。警察官、取材に訪れたテレビ局などが、手持無沙汰に過ごす姿ばかりが目立った。
すっかり浮いてるコスプレ男女
近年、10月31日のハロウィン前後には、渋谷駅周辺に多くの人々がコスプレ姿で集まり、世間の注目を集めている。2016年は31日が月曜日のため、週末の28日~30日も含め、前年以上の群衆が駅前に押し寄せることが予想されていた。
そして迎えた、「初日」の28日夜。例年、盛り上がりの中心となっている、ハチ公前広場を記者は訪れた。2015年の取材時には、ゾンビやナース、マリオなどに扮した若者たちで、辺りは埋め尽くされていたのだが......。1、2組ほどの仮装グループがいるほかは、まったく普段通りの渋谷だ。
センター街方面まで足を延ばしてみると、ドラキュラマントを羽織った男性や、SWATの制服を着た男女、全身タイツのスパイダーマンなどが、ちらほらと歩いている。だが、それもごくごく少数。街行く人の5%にも満たない印象だ。昨年には道行く人から、
「普通の格好でいるのが恥ずかしくなってきた」
という声も聞かれたが、今年は仮装組の方がすっかり浮いている状況である。
ゴミ対策のため集まっていた清掃ボランティアの皆さんも、出番がないまま雨の街角に立っている。この日のために用意されたジャックランタンのゴミ袋も、スカスカのままだ。