米シンガー・ソングライターのボブ・ディランさん(75)に2016年のノーベル文学賞の授与を決めたスウェーデン・アカデミーが、このほど、本人に直接受賞連絡をすることを断念した。
授賞に際し、同アカデミーはディランさんと何度も連絡を取ろうとしてきたが、これまで一度もかなわなかった。
かたくなに沈黙を守る本人、受賞辞退の憶測も
スウェーデン・アカデミーのサラ・ダニウス事務局長は10月17日(現地時間)、地元のラジオ番組で「連絡を取ることをやめた」と明かした。
ディランさんへの授賞が発表されたのは10月13日のこと。その後、同アカデミーは代理人やツアーマネジャーとは連絡を取ることができたもの、本人とは直接コンタクトをとれない日々が続いていた。ディランさん自身は雲隠れしているわけではなく、13日以降、複数回にわたってコンサートを行っている。ただ、受賞に関するコメントは一切なし。かたくなに沈黙を守ってきている。
現時点では、ディランさんが12月に行われる授賞式に出席するかどうかも分からないそうだ。
「連絡断念」の報を受け、高須クリニックの高須克弥院長(71)は18日、
「『くれる?何?ノーベル賞?俺に?いらん』 事務局の偉そうな態度にカチンときたんだろうなボブ・ディラン」
「反戦のシンボルだった歌手が爆弾製造会社創業者が作った賞を喜ぶわけがない。ビール会社かハンバーガー会社の賞なら受けとると思うけど...」
とツイッターでディランさんの気持ちを推察し、沈黙に理解を示した。
茂木健一郎氏「コンサート会場に行くくらいの努力見せていい」
一方、ディランさんの受賞を「画期的な選考」だとして評価していた脳科学者の茂木健一郎さん(53)は18日、「コンサート会場に行くくらいの努力と誠意見せてもいいのに」とツイートし、事務局の姿勢に疑問を投げかけた。これには「確かに」と同意する声と「迷惑なだけ」と指摘する声が上がり、賛否が分かれている。
ディランさんと古くから親交のある米歌手ボブ・ニューワースさん(77)は米紙ワシントン・ポストの取材に「ノーベル賞受賞を認めたくないのでは」とコメントしているが、本人の思いは依然、謎に包まれたままだ。海外メディアやファンの間では、受賞を辞退する可能性も含めてさまざまな憶測が飛び交っている。
こうした徹底して事務局からのコンタクトを「無視」し続けているディランさんの姿勢は、ファン心理を大いにくすぐっているのも、また事実だ。
ロック歌手のダイアモンド☆ユカイさん(54)も18日、「大した玉だね。凄いねこの偏屈オヤジ、最高だよロックンロール!」とツイッターで賛辞を送っている。