米ミュージシャンで作詞家のボブ・ディランさん(75)のノーベル文学賞受賞が決まったことを受け、脳科学者の茂木健一郎さん(53)のツイートが話題を呼んでいる。
ディランさん受賞に関するツイートそれ自体は特段注目される内容ではないのだが、茂木さんの過去の主張と矛盾しているのではないか、などと「ツッコミ」が上がっているのだ。
過去に「思考停止で有り難がる」「田舎くせえ」
「ノーベル文学賞、ボブ・ディラン!!!!!!すごく画期的な選考!!!!ブラボー!!!!」――。受賞者発表があった2016年10月13日夜、茂木さんは興奮気味にこうツイートした。同賞で歌手が選ばれるのは今回が初めて。「画期的」という評には納得する人も多いだろう。
だが、この投稿にはいくつもの「ツッコミ」が寄せられることとなった。
茂木さんはさかのぼること3年前のツイッターに、
「日本のマスコミも、そろそろノーベル賞思考停止で有り難がるの、やめたら。田舎くせえよ」(2013年10月11日)
と投稿していた。ノーベル平和賞に「化学兵器禁止機関」が選ばれたことに不満を持ち、「ノーベル平和賞、ダセー」「ろくな選択ができないんだったら、ノーベル平和賞なんて、やめちまえよ」などと批判する中でつぶやいたものだった。
さらに2010年には、
「ノーベル賞もらったからって、最高の知性なんて保証はない。20世紀最高の知性たち(ヴィトゲンシュタイン、チューリング、フォン・ノイマン)はノーベル賞もらってない。その程度の『権威』を盲信している日本人って、何なんだ?」(9月9日)
とも投稿していた。
「論理的独立性を認識しない方は多いです」
ネット上でこれら過去の投稿が掘り起こされると、今回のボブ・ディランさんの受賞を称賛するツイートに違和感を持つ人が続出。茂木さんのもとには、
「思考停止ですか?!」
「自分の言ったことは覚えておきましょうね」
「え?田舎臭えんちゃうんですか」
「矛盾しまくりwww」
といった声がいくつも寄せられた。
ただ、茂木さんが批判してきたのは、選ばれるべき人が必ずしも選ばれないノーベル賞を「絶対視」することだった。そのため今回の選考を画期的だと称賛する事は、前段と特に矛盾していないとする意見も目立つ。
あるフォロワーは「茂木さんが『ブラボー』と言っているポイントと『思考停止』だと言っているポイントは切り離されてると思います。『ノーベル賞』という語がツイートの中にあるからと言って全然矛盾してない」との意見を投稿。茂木さんは、このツイートを引用した上で、
「その通りなのですが、その論理的独立性を認識しない方は多いです。。。」
と書き、過去の言葉と矛盾している、との指摘にやんわりと反応している。
ちなみに、茂木さんは2015年夏には「SEALDsにノーベル平和賞を!」(7月10日)ともツイッターで訴えていた。