株価1500円が今や2円 こんな会社の「生き残り条件」とは

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   東京証券取引所JASDAQ市場に上場する、ダイヤモンドを製造・販売する「サハダイヤモンド」の株価が「とうとう1円になってしまうのか」と、インターネットで話題になっている。

   2016年9月27日の終わり値は結局2円。前日の26日に東証から監理銘柄(確認中)に指定された一方で、同日付で姜杰(ジャン・ジェー)社長(53)が「一身上の都合」を理由に辞任したと発表。姜氏は取締役として残るものの、後任の社長は決まっていないという混乱ぶりだ。

  • ダイヤモンドジュエリーの「サハダイヤモンド」、株価はどうなる…(画像は、サハダイヤモンドのホームページ)
    ダイヤモンドジュエリーの「サハダイヤモンド」、株価はどうなる…(画像は、サハダイヤモンドのホームページ)
  • ダイヤモンドジュエリーの「サハダイヤモンド」、株価はどうなる…(画像は、サハダイヤモンドのホームページ)

サハダイヤモンド、臨時株主総会を中止・社長が辞任...

   サハダイヤモンドは、ロシア連邦サハ共和国にダイヤモンドの研磨工場を有し、サハ産のダイヤモンドを加工して製造・販売している。1956年にサンゴ卸売として創業。2004年にサハダイヤモンドに商号変更するとともに、JASDAQ市場に株式を上場。12年には上海欧宝麗実業有限公司との合弁会社、維真珠宝(上海)有限公司を設立した。

   社長だった姜杰氏は49歳のときに、同社の社長に就任(2012年6月28日付)。欧陸之星鑽石(上海)有限公司総裁や上海ダイヤモンド取引所理事、ベルギー・ダイヤモンド高等議会中国主席などを務めるという華々しい経歴の持ち主。中国宝石業界の「大物」といえそうだ。

   とはいえ、ここ数年は業績が悪く、経営は混乱している。13年11月に、資本金を現在の約21億4000万円から1億円ちょうどに減資し、減資分は資本剰余金に振り替えると発表。14年8月には、15年3月期第1四半期の決算短信と四半期報告書で、連結累計で3800万円の純損失を計上。「2004年3月期から継続的な損失を計上しており、キャッシュ・フロー面でも、営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが続いている」ことを理由に、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているとの「継続企業の前提に関わる注記」記載を行った。

   2015年には4期連続で営業利益と営業キャッシュ・フローがマイナスとなり、上場廃止猶予期間に入り、同年11月は「早急な業績の回復実現」を理由に、9月に就任したばかりの井上喜明社長が副社長に降格し、代わって取締役に退いていた前社長の姜氏を社長に昇格した。16年8月26日には、9月末に予定していた臨時株主総会の開催を中止したことを発表。業績もロシアの海外子会社が手がけるダイヤモンドの研磨事業は受注が低迷。円高の打撃も大きく、赤字から脱却できずにいる。

JASDAQ市場の上場廃止基準とは

   こうなると、サハダイヤモンドの株価は下落の一途。2007年1月には1500円の高値を付けていたこともあった株価は、2010年10月に上場来安値(当時)の3円まで下落。その後、持ち直し15年6月には30~40円で推移していたが、同年の年末にかけて10円台まで落ち込み、2016年に入ると1ケタ台を行ったり来たりするようになってしまった。

   9月1日に8円だった株価は、26日の終値で再び3円を付け、翌27日には前日比1円安の2円で引けた。

   インターネットには

「サハはギャンブルと考えるなら全然ありでしょwww」
「サハって数か月前に15円から突然2円くらいまで下がったやつだよね。今日中には1円みれそうかなw」
「みんなでサハに集合して、永遠に潰れない銘柄として相場の七不思議に君臨した株の最期を見届けようぜ!w」
「サハダイヤwwwww 社長交代って好材料?」

といった声が寄せられている。

   一方、JASDAQ市場の上場廃止基準は、株主数が150人未満、流通株式数が500単位未満、流通株式の時価総額が2億5000万円未満になったときや、最近4年間の連結会計年度の営業利益と営業活動によるキャッシュ・フローの金額がマイナスの場合に1年以内に営業利益と営業活動によるキャッシュ・フローの金額がマイナスでなくならないとき、債務超過のときなどがあり、「このうちの1つでも該当すると上場廃止になります」(日本取引所グループ)。

   日本取引所グループによると、サハダイヤモンド株の場合は1円に迫っている株価が焦点で、「株価以外の項目は見当たりません」という。9月26日の終値が3円となったことで、9月1日から26日までの最終価格の平均が7円になったため、今後9月30日までに東証が同社の株価(月末終値または月間終値平均)が10円未満となったことを確認した場合には上場廃止になる。

   つまり、上場廃止を免れるには、株価を押し上げ、「10円」を上回るしかない。とはいえ、株価を不正に吊り上げれば、相場操縦にあたる。また、たとえば増資の発表で株価が上昇するケースがあるが、逆にそれを理由に値が下がるおそれもある。いずれにしても、「マーケットが10円以上の価値がある」と認められなければならないわけだ。

   上場廃止が決まると整理銘柄に指定され、その1か月後に廃止されるが、それまでは売買できる。もちろん、上場廃止となっても会社が倒産するわけではないので、株主の権利は従来どおりだが、あと3日、株価から目が離せない状況が続く。

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