「普通にホラー」「どんな発想だ」――1本の動画が今、ネットを中心に波紋を呼んでいる。
鹿児島県志布志市が2016年9月21日、YouTubeで公開した動画「UNAKO(うな子)」だ。ふるさと納税のPRのため、市の主要産業「うなぎ養殖」を擬人化したのだが――。
「養って」と求める少女、再生回数は10万回に
彼女と出会ったのは、1年前の夏だった――2分間の動画は、そんなナレーションとともに始まる。舞台となるのは、少しレトロな雰囲気のプールだ。そこに現れた紺色の水着の少女は、「養って」と語り手の男性に依頼してくる。
語り手は彼女のために「できる限りのことをしてやる」と決め、このプールで彼女を養う日々が始まる。テントを建て、食事を用意し、プールの水も「天然の地下水」にするなど、語り手はかいがいしく世話を焼く。
そして「次の夏」、少女は「さよなら」と微笑んで去っていく。プールに飛び込むとともに、その姿はうなぎに変化。おいしそうな蒲焼きが大写しとなって、動画は幕となる。
鹿児島県は、養殖うなぎ水揚げ量日本一を誇り、志布志市は県内の最大の産地である。ふるさと納税のお礼でも、やはりうなぎが「看板」だ。今回の動画は、そのうなぎをアピールするためのものだといい、プレスリリースでは、
「うなぎを擬人化し、志布志でうなぎが大切に育てられている様子を描いています」
「動画を見てくださった方が、『志布志は美しいところ』と思ってくだされば幸いです」
と市の狙いが語られている。
再生数は公開から4日後の25日15時時点で、すでに10万回近くに達した。