民進党の蓮舫代表代行(48)の日本籍と台湾籍の「二重国籍」疑惑騒動で、ここにきて識者などから蓮舫擁護の発言が相次ぐようになっている。
しかし、ネット上ではこうした意見に対する激しい反発も起きていて、「火に油」の様相になっている。
「政治家としての失態として数え上げることはできない」
脳科学者の茂木健一郎さんは2016年9月9日、ツイッターで、「ヤフー!ニュース」に掲載された蓮舫議員のインタビューにリンクを張り、
「日本で生まれ育って、日本語が母語で、たまたまお父様が台湾生まれというだけ。この件はこのclarificationで終わりでしょう。蓮舫さん、がんばってください!」
とツイートした。インタビューでは、雑誌「CREA」で「台湾籍です」と語っていたことや、「生まれたときから日本人でした」と言いながら日本国籍を取得した時期を18歳、17歳と説明がぶれたことなどについて説明し、仮に台湾籍が残っていたとしても国ではないから国籍にはならないし、中国法に照らし合わせても他国の籍を取った場合に自動的に中国籍は喪失するため、どちらにしても二重国籍にはならないと発言している。
フリーアナウンサーの長谷川豊さんは「教えて!goo」のブログで16年9月7日、
「多分蓮舫さん、そんなに悪くないんじゃないかなぁ......。」
と擁護した。「違法状態なのではないのか」と責められているけれども、国籍法自体がザル法で欠陥法案。アメリカで生活すると分かるが二重国籍、三重国籍の日本人はいくらでもいるし罰則もない。台湾籍を無くす手続きは父親がやったということだから、蓮舫さんの過失とは言い切れないケースだ、と主張した。
コラムニストの小田嶋隆さんも「日経ビジネス」ウエブ版 (16年9月9日)で、
「蓮舫議員は別に好きじゃないが」
というコラムを書き、何十年も昔のさして重要でもない、よく覚えてもいない事柄についての答弁が要領を得ないものであったとしても、
「そのことをただちに政治家としての資質を疑わせる失態として数え上げることはできない」
とした。そして、結局馬脚を現した格好になったのは、国籍や血統といったセンシティブな問題をネタにして、一人の政治家を火あぶりにかけようとした人々の方であり、排外主義的な国家観や民族意識を牢固として抱いていることを全世界に知らしめた、と批判した。
ただし、こうした著名人の擁護は、逆に「火に油」を注ぐ形になってしまってもいる。
「日本の国益を考えて行動できるかどうか不安」
擁護派の意見が相次いでいることに対して、インターネットの掲示板には、
「二重国籍はきっかけに過ぎず、本質的なことは蓮舫氏が代表になり、与党になったとき日本の国益を考えて行動できるかどうか不安を感じてるのでは・・・」
「台湾じゃなくて北朝鮮籍って考えたら問題の重大さが分かるだろ」
「そもそも二重国籍は日本では認められてないの しかも国会議員てw 許されないから。もしほんとに二重国籍ならば小説に出て来るスパイそのものじゃんw」
などといった大量の批判が書き込まれることになった。
また、朝日新聞は16年9月8日付けで「そもそも蓮舫氏に、問題はあるのか」という記事を掲載した。ここでは中国法に基づけば、蓮舫議員が日本国籍を取得した1985年の時点で中国籍を喪失したという解釈が成り立つ余地があるし、台湾籍が残っていた場合でも、日本政府は国籍が一つであることが望ましいという「国籍唯一の原則」という努力義務にとどめている、とし、蓮舫議員に近い人物のものとして、
「日本で育ち、日本語をしゃべり、日本人として生きてきた。人を差別するような見方をしないでほしい」
というコメントを掲載した。
これに対しては、先の掲示板などには
「政治家が努力義務で逃げれるわけねーだろ」
などといった書き込みが出ている。