「鬼平犯科帳」アニメ化、その風貌にネット騒然 「ルパンのよう」「腐女子狙い」

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   池波正太郎さんの超人気時代小説「鬼平犯科帳」(文藝春秋刊)が来年の2017年に誕生50周年を迎えることを記念し、テレビアニメ化が決定した。

   これほど有名な時代小説がアニメ化されるのは珍しいとアニメファンの期待は高まったが、発表されたキャラクターデザインを見て一転、絶望の声が挙がることになった。ボーイズラブを好む「腐女子」に媚びているとか、「ルパン三世」のようだ、という指摘が起こっているのだ。自分の作品を忠実にドラマ化するのにこだわった池波さんが生きていれば「絶対に許さなかっただろう」などといった意見もある。

  • 現代風のイケメン「鬼平」(池波正太郎の公式HPに掲載されたプレスリリース)
    現代風のイケメン「鬼平」(池波正太郎の公式HPに掲載されたプレスリリース)
  • 現代風のイケメン「鬼平」(池波正太郎の公式HPに掲載されたプレスリリース)

長身でスタイリッシュ、クールな色気の主人公

   この作品の主人公は言わずと知れた火付盗賊改方長官・長谷川平蔵で、勧善懲悪の捕物帳が展開する。1967年に「オール讀物」(文藝春秋社)に第一作が掲載されて以降、1989年まで全135作と番外編1作が発表され、単行本の累計発行部数2700万部という超ヒット作として知られる。テレビ時代劇は1969年10月からNET(現:テレビ朝日)系とフジテレビ系で放送され、制作は約27年間に及んだ。鬼平を演じたのは八代目松本幸四郎、丹波哲郎、萬屋錦之介、二代目中村吉右衛門など時代劇のスパースターたちだった。

   テレビアニメはどんなものになるのか。「池波正太郎 公式サイト」での説明によれば、タイトルは「鬼平」で、主人公は「現代風イケメン」。長身でスタイリッシュな風貌で、紫の着物をかっこよく着流し、腰元には悪党を裁く刀を携えている。クールな色気と力強さを持ち合わせたアニメ界初のヒーロー、なのだという。監督とキャラクターデザインは劇場公開もされたアニメ「ルパン三世 GREEN vs RED」の監督、宮繁之さんが担当する。放送するテレビ局は未公表だ。

   こうした説明とキャラクターデザインが公表されると、アニメファンから激しいどよめきが起きた。

池波さんが生きていたらOKは出さない?

   というのもアニメファンにとって鬼平キャラといえば、さいとう・たかをさん作画で現在も「コミック乱」(リイド社)で連載中の劇画「鬼平犯科帳」だ。大方の人が、アニメもそうなるとおもっていたところ、それとは似ても似つかない姿が目に飛び込んで来たからだ。そのキャラクター画像に驚いた人たちは、

「モンキーパンチみたいなヒョロさ」
「おいおい、なんで鬼平が散切り頭なんだよwこれじゃ素浪人か三下(チンピラ)じゃねぇか」
「まだ御家人斬九郎をアニメ化しました!って言われた方が納得できる風貌だなぁ」
「鬼平ってより御家人斬九郎」
「小太りだが切れ者っていうギャップあってこそのキャラなのに 、これじゃ鬼平でやる必要ないじゃん」

などといった声が掲示板からもれた。

   さらに、テレビアニメ「おそ松さん」の大ヒットに味を占め、ボーイズラブ好きの「腐女子」を狙っているに違いない、と考えている人も多く、

「よっしゃーと思ったら、ナニこの男。ホモゲイ犯科帳」

などと、自分たちが知る「鬼平」とは違った物になるのではないかと心配している人もいる。

   そもそも池波さんは自分の作品が映像化される際には原作に忠実であることにこだわった。東京新聞の1998年4月1 日版では中村吉右衛門さん主演の「鬼平犯科帳」が最終シリーズを迎えることを記事にしていて、池波さんはドラマ化の際に、

「鬼平の名前だけ使ってオリジナルでシナリオを作るような、さもしいことだけはしてくれるな」

と強く言っていたと書いている。ドラマシリーズが終了するのは、原作をほぼ使い切ったからで、こうしたことは「池波さんとの約束」だったのだという。

   こうしたことから、もし池波さんが生きていたら今回のアニメ化は絶対に許さなかっただろうと主張する人もいる。

   ともあれ、2017年公開を目指し、「鬼平」アニメの制作はスタートを切った。怖いもの見たさで期待する声が無いわけではないのも事実だ。

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