リオデジャネイロ五輪の卓球男子シングルスで銅メダルを獲得した水谷隼選手に、「あんなガッツポーズはダメ。手は肩より上げちゃダメ」と注文をつけた野球評論家・張本勲さん。しかし今、手を挙げながらジャンプして喜ぶ張本さんの写真がネットで拡散されている。
写真を見る限り、張本さんの手は大きく振り上げられ、天を衝く勢いだ。ツイッターでは「打たれた投手の気持ちは?」「どの口がいうとんねん」と張本さんへの批判が集まっている。
イチローは「素敵な写真ですね」
写真が撮影されたのは1977年9月3日。当時37歳の張本さんは、巨人に在籍していた。その日、チームメイトだった王貞治さん(現・ソフトバンク球団会長)が通算756号目となる本塁打を放ち、世界記録を塗り替えた。
王さんがバンザイしながらベースを回る中、ネクストバッターズサークルにいた張本さんも狂喜。高くジャンプして右の拳を高く振り上げ、まるで自分のことのように喜んだ。
王さんの隣で張本さんが飛び上がる瞬間を見事にとらえたこの写真は、その後もたびたび話題に。マーリンズのイチロー選手はマリナーズ時代の2012年、写真がプリントされたシャツを着用して会見場に現れ、「メーンが張本さんであることは間違いない。素敵な写真ですね」とコメントした。J-CASTニュースが調べたところ、張本さんのジャンプはスポーツニッポンやサンケイスポーツなど複数メディアに撮影されていたようだ。
そんな「素敵な写真」は、リオ五輪のメダルラッシュに沸く16年8月の日本で、再び注目を浴びた。それも、野球とは無関係のところで。
12日に行われた、卓球男子シングルスの3位決定戦。接戦を制した水谷選手は勝利後、ガッツポーズのままコートに大の字になった。
「どの口が言うとんねん」
張本さんはこの試合から2日経った8月14日、情報番組「サンデーモーニング」(TBS系)に出演し、ガッツポーズに言及。「あんなガッツポーズはダメ。手は肩より上げちゃダメ。礼に始まり礼に終わる、ですから」と厳しく注意した。張本さんの主張は、その異色さから数多くのメディアに取り上げられた。反発もあれば、共感もある。ネットの反応は賛否両論と言えた。
しかし、翌15日未明ごろから「素敵な写真」がツイッターに出回り始め、
「どの口が言うとんねん」
「野球のガッツポーズはどうなんだ」
「お前もガッツポーズしてただろ」
「これは喝ですね」
と張本さんへの批判が相次いだ。あるツイッターユーザーは、王さんが756号目を打った投手、ヤクルト(当時)の鈴木康二朗さんに触れ、「打たれた投手の気持ちは?」と問いかけた。張本さんはどう答えるのだろうか。