気象庁は2016年8月1日、「東京湾を震源とするM9.1の地震が発生」という誤った緊急地震速報を流した、と発表した。
この「誤報」は緊急地震速報と連動するアプリなどで一気に広まった。実際に地震は発生していないものの、ツイッターに「本気でびびってしまった」「心臓止まるかと思った」といった声が続々寄せられた。
気象庁「原因は調査中」
発表によると、「誤報」の詳細はこうだ。地震の発生日時は17時9分。震源は東京湾で、地震の大きさを示すマグニチュードは9.1だった。千葉県南部、東京都23区、神奈川県東部、千葉県北西部、埼玉県南部が「震度7程度以上」を観測したと表示されている。なお、誤った地震速報は17時9分の1分間に3回流され、そのうち2回はマグニチュード9以上となっていた。
緊急地震速報を受け取った人々はツイッターに
「本気でびびってしまった」
「死ぬかもって思った」
「心臓バクバクする」
と驚き、不安の声を寄せた。しかし、実際に揺れが来ることはなかった。
同庁の地震津波防災対策室の担当者は1日夕、J-CASTニュースの取材に「原因は現在調査中」としたものの、「速報をうったおよそ15秒後にキャンセル報を流した」と説明している。
また、「数字が大きかったので反響は大きい。(通知アプリ等を運営する)事業者からの連絡が鳴りやまない状況だ」と現状を明かした。
気象庁のサイトをみると、「キャンセル報」はトップページには見当たらず、トップページの「地震情報」をクリックし、さらに「緊急地震速報の発表状況」へ飛び、さらに「緊急地震速報(予報)の発表状況」を選択すると、誤報を流したのと同じ時間帯の17時9分のうちに「キャンセル報」を流したことが確認できる。サイトの深部に小さく掲載されている、といったところだ。
緊急地震速報をもとに、ユーザーが設定した地点のゆれを計算し、推定震度や予想到達時間をプッシュ通知で素早く知らせるアプリ「ゆれくるコール」でも、同庁の「誤報」が伝えられた。
アプリを運営するアールシーソリューション(東京都新宿区)の担当者はJ-CASTニュースの取材に、「ユーザー様から『誤報かどうか』という確認の電話をたくさんいただいている」と話した。