2016年7月31日投開票の東京都知事選に「野党統一候補」として立候補した鳥越俊太郎氏の敗戦を受け、民進党東京都連会長の松原仁衆院議員は、同都連が当初出馬を要請した古賀茂明氏であれば「(選挙戦の結果は)変わっていたと思う」と述べた。
今回の東京都知事選の候補者選びの段階で、同党都連は古賀氏へ出馬要請したが、岡田克也代表ら党首脳がそれを抑えて鳥越氏を告示日間際に擁立する、といった経緯があった。松原氏は、岡田氏が30日、党代表を任期満了で退任することを表明したことについても、「(鳥越氏を)擁立した責任を全うする必要があった」と強く批判。選挙戦をめぐる「党と都連の方針のズレ」について恨み節を連発した。
岡田氏の「退任」表明に「責任を全うする必要があった」
松原氏は31日20時45分頃、鳥越氏の選挙事務所で行われた囲み取材で、「(鳥越氏の推薦は)都連の思惑とは違った」と断言。その上で、投開票日前日に岡田氏が代表の任期満了退任を表明したことについて、
「都連が内定していた候補を否定する形で推薦したのですから、岡田さんは最後まで連れてきた責任を全うする必要があった」
と批判。その上で、岡田氏の発言について「理解しがたい」などと述べた上で、「軸が非常にぶれている気がしてならない」と苦言を呈した。また、岡田氏の発言については多くの都連関係者が疑問を感じているとも明かした。
松原氏は続けて、記者から出た「(鳥越氏でなく古賀氏であれば)結果は変わっていたと思うか」という質問に対し、「私はそう思います」と答えた。その上で、
「ディベートに関しては、行革のプロですから。また、体力も十分ありますし」
と、鳥越氏の「弱点」として指摘されてきた部分と比較するかのように、古賀氏の「長所」について言及。「(古賀氏であれば)選挙として大きな成果を挙げることができたのでは」とまとめた。
こうした囲み取材が行われる前、松原氏は約4分間にわたって挨拶を行い、選挙事務所に集まった支援者や党関係者から何度も歓声が飛んだ。なお、鳥越氏の挨拶は約1分40秒と短く、支援者らから拍手や歓声があがったのは1度だけだった。
岡田代表は同日、鳥越氏事務所に姿を見せなかった。