「男性お一人様での入店はお断りしております」――。猫とのふれあいが楽しめる「猫カフェ」の一部店舗が、女性客のために「男子禁制」の方針を打ち出していることが、ネット上で物議を醸している。
こうした猫カフェの対応について、ツイッターなどでは「納得いかない」「男性差別」といった不満が相次いでいる。だが一方で、猫カフェを訪れる女性に対し、男性客が「ナンパ」や「盗撮」などの迷惑行為に及ぶケースもあるという。
「男性がいると落ちつけない」という女性の声
猫に囲まれて過ごせる癒しの空間として、ここ数年で店舗数が急増している猫カフェ。その人気に性別は関係ないようで、公式サイト等で「男性のお客様も大歓迎」などとアナウンスしている店も多い。実際、ネット上にも「意外と男性の方が多い」「男性ばかりで驚いた」といった声が数多く出ている。
だが、そんな猫カフェの中には、「男子禁制」の方針を掲げる店も少なくない。
神奈川県内のある猫カフェのオーナーは16年7月29日のJ-CASTニュースの取材に対し、「女性のお客様からの要望もあり、男性客だけでの入店を断っています」と話す。
「猫カフェの性質上、床に寝転がったりすることもありますので、男性からの視線が気になる女性は多いようです。過去にトラブルが起きたことはないですが、『男性がいると落ちつけない』という声はよく聞きます」
この店では、一時的に男性だけでの入店を許可したことがあったが、その時期は「目に見えて女性客が減ってしまった」という。
また、都内のある猫カフェでは、平日に限り「男性の入店を全面禁止」している。この店のオーナーは取材に対し、
「女性が1人でくつろいでいるところに、見知らぬ男性が来たら緊張してしまいますよね。店内も狭いですし、女性のお客様の気持ちを考えて、平日は男性のお客様のご利用をお断りすることにしました」
と説明した。記者が「利用したい男性客の気持ちはどう考えるのか」と質問すると、「休日に来ていただければいいんじゃないでしょうか」とだけ答えた。
猫を撮影するフリをして・・・
こうした「男子禁制」の猫カフェに対して、ツイッターやネット掲示板には、
「猫カフェで男性一人の入店禁止ってヘコむんだけど」
「男性禁止の猫カフェ増えてるらしくて辛い」
「一人で猫カフェ行った時に男性だけの入店はちょっと...って断られたのだけはいまだに納得いかない」
などと猫好きの男性からの不満が相次いで寄せられている。なかには、「酷い男女差別」「男性差別だ!断固抗議しよう」などといった過激な主張もみられた。
だが一方で、猫ではなく「女性」を目的に猫カフェを訪れる男性客もいるようだ。前述した神奈川の猫カフェのオーナーは「ほかの店の人間から聞いた話ですが」と前置きした上で、
「1人で来店した女性客へナンパのようにしつこく話しかけたり、猫を撮影するフリをして、女性の下着や胸元を盗撮するような行為も目立つそうです」
と明かした。こうしたトラブルを「未然に防ぐため」に、男性客の利用を制限している店も少なくないという。