鳥越氏、TV討論で声荒げる 大反発したNGワードとは

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   東京都知事選(2016年7月31日投開票)の告示から初めての休日にあたる2016年7月16~18日の3連休では、各陣営の運動方針に大きな違いが出た。小池百合子・元防衛相(64)と増田寛也・元総務相(64)はそれぞれ20回程度の街頭演説をこなす一方で、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)は、わずか6回。そのうち、ある演説では30秒ほどで切り上げてしまい、聴衆からブーイングが出る一幕もあった。

   こうした対応の違いもあり、鳥越氏には高齢批判や健康不安もくすぶるが、この点は本人も神経をとがらせているようだ。鳥越氏は、小池氏が演説で「病み上がりの人」などと発言したことを問題視。テレビ番組で「がんサバイバーに対する大変な差別」などと声を荒らげる一幕があった。

  • 鳥越氏が街頭演説で訴えた内容は…
    鳥越氏が街頭演説で訴えた内容は…
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「3連休中の街頭演説」他候補は20回程度、鳥越氏は6回

   この3日間で、小池氏が20回、増田氏が18回街頭演説を行ったのに対して、鳥越氏はわずか6回。そのうち7月18日に巣鴨で行った演説では、20分以上遅刻した上に、話し始めて3分程度で司会の「次の遊説地への時間が迫ってまいりました」という声が入り、足早に会場を後にするという状況だった。演説時間のほとんどは応援に来ていた歌手の森進一さんがマイクを持ち、鳥越氏が自ら話したのは40秒程度。政策に関する説明は何一つなく、炎天下で待たされていた聴衆からブーイングが上がっていた。この日の夜には「『鳥越候補を応援する市民センター』発足集会」にも姿を見せたが、それでも他の2人と比べるとスケジュールには余裕がある。

   鳥越氏の街頭演説が少ないのは体力の問題があるためだ、という指摘も絶えない。そうした声を気にしてか、健康問題をめぐる競合候補の発言に、鳥越氏は激しく反応した。7月19日午後のフジテレビで放送された「バイキング」には、3候補がそろって出演。候補者が他の2人の候補者に質問するという形式で番組は進行したが、鳥越氏は小池氏の街頭演説での発言を問題氏した。問題視された発言は、7月17日に秋葉原で行った街頭演説で述べた

「この人なら勝てるといって政策も何もない人、病み上がりの人をただただ連れてくればいいというものではないんです」

という部分だ。鳥越氏は発言の「病み上がりの~」以降の部分がテロップで表示されたニュース番組の画面を示しながら、

「これはね、がんサバイバーに対する大変な差別ですよ?偏見ですよ」

と指摘。当初は「記憶にない」と発言を否定していた小池氏は

「もし言っていたならば、失礼なことを申し上げて...」

とかわそうとしたが、鳥越氏は

「失礼とか、それで済まされるんですか?僕に対する問題じゃないんですよ?がんサバイバーという人は、何十万、何百万といるんですよ、東京都にだって。家族もいますよ。そういう人たちに、『1回がんになったら、あなたはもう何もできないんだ』と決めつけるのは...」

などと激高。小池氏も

「そんなこと言ってないですよ!それを決めつけてるのは鳥越さんでしょ?」

と応戦していた。

6年前には「ボケたな、オレもやっぱり記憶力落ちたなと思うんだよ」

   そんな中で注目を集めているのが、10年5月に「鳥越俊太郎のひと言 『老人力』に思う」と題して公開されたテレビ朝日の動画だ。今でもネット動画で見ることができる。鳥越氏は動画の中で、DVDソフトを買う時のエピソードを

「『あっ、これ面白そうだな』と思って買って帰るとね、自分のその棚に、すでにそれがある、っていうことがあるんですよ」

と説明。こういうことは「1回や2回じゃなく何回もある」といい、

「で、これは完全にボケだ。ボケたな、オレもやっぱり記憶力落ちたなと思うんだよ。でもせっかく買ってきたから、まぁ見てみるかぁと思って見ると、頭から全然覚えてないんだよ」

と嘆く一方で、

「だから1回見た物はもう1回楽しめる、1から」
「そういう意味でいうとね、老人になるってね、悪い事ばっかりじゃないなって。楽しめるんだもん、同じ物を」

とも楽観視していた。こういった鳥越氏の過去の発言が、都知事としての資質とリンクする形で「蒸し返されて」いるわけだ。

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