現役女子大生で実業家の椎木里佳さん(18)がツイッターに投稿した「美談」が、ネット上で思わぬバッシングを呼ぶことになった。
椎木さんのツイートは、ボロボロの服を着た男性に牛丼代を渡そうと考えたが、「ダサい感情が邪魔をしてできなかった」という後悔をつづったもの。こうした投稿に対し、ネット上では、「勝ち組の自己満足ではないか」「苦労も知らないくせに」などと、椎木さんの「華麗な経歴」を理由に反発が強まっている。
「もし私のこと知ってたらどうしよう」
「女子高生社長」という肩書で話題を呼んだ椎木さんは、2016年春には慶應義塾大学に進学。中学3年生の若さで設立したマーケティング会社AMFの代表取締役社長として事業を運営するほか、ワイドショーや情報番組などメディアへの露出も多い。
そんな椎木さんが2016年7月11日深夜に投稿したツイートが、いまネット上で物議を醸している。
椎木さんは車で移動中、「牛丼屋の前でボロボロになっている服を着て、1人で立ち止まってる男性」を窓越しに見かけた。その後、この男性は「財布の中身をチェック」して、「諦めたように(中略)行ってしまった」という。
椎木さんは、「お金を握りしめて車から降りよう」と考えたという。だが結局、椎木さんは考えを実行に移すことが「できなかった」。その理由について、
「バカにされてるって思われたらどうしよう。もし私のこと知ってたらどうしよう。そんなダサい感情が邪魔をしてできなかった」
と後悔を交えつつ説明している。その上で、投稿の末尾には「今度は(車から)降りてみようと思う。勇気を出して声をかけてみよう」との決意もつづっていた。
「わざわざ公表することは偽善」
椎木さんといえば、東証1部上場企業「ディー・エル・イー」の椎木隆太代表取締役の娘で、慶應義塾の幼稚舎にも通っていたことで知られる。そのため、女子大生社長という肩書についても、「親の七光り」という批判が定期的にみられる。
こうした背景があるためか、今回の椎木さんのツイートは、ネット上で「苦労も知らないくせに」「いい人アピールですか?」などと激しい反発を呼ぶことになった。
さらには椎木さんのツイッターアカウントにも、
「それは優しさではない、勝ち組の自己満足ではないかな」
「身なりがボロボロだとか、人の事勝手に見下して優越感に浸りたいだけだろう」
「素晴らしいと思いますが、SNSでわざわざ公表することは少し偽善を感じます」
といった批判的なリプライ(返答)が集中することになった。
一方で、「心が優しくないと感じられない事」「とても優しい方なんですね。素敵です」と肯定的な意見も寄せられている。椎木さんは、こうした様々な反応に対し、13日正午現在、ツイッターを更新していない。
派遣など非正規労働者が「ロストジェネレーション(失われた世代)」と呼ばれるなど格差が広がるなかで、生まれながらに経済的に恵まれ、18歳で「社長」という肩書を持つ椎木さんの言葉には、どうしても「上から目線」を感じてしまう人が多いようだ。
そこへ持ってきて、椎木さんの女の子らしい率直な語り口が、かえって反発を招くことも多い。
16年2月には、自身が社長をつとめるAMF公式サイトのソースコードが、他社サイトのコードを「パクっていた」として騒動が起きたが、このとき椎木さんはツイッターで、
「私自身は気がつけなかったので、今回炎上させてくださった方々に感謝しています。やってしまったことの事実は変えられない」
などと挑戦的な文章を投稿したことが、ネット上で激しい批判を集めた。