新聞政党広告でわかった意外な結果 広告費は国庫負担も【参院選2016】

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   選挙公示後、各党の趣向を凝らした政党広告が新聞各紙へ掲載される。

   参院選を目前に控え、J-CASTニュースでは2016年7月1日から投開票前々日の8日までの全国紙(読売・朝日・日経・毎日・産経)に掲載された政党広告を集めて分類した。その結果、政党の規模や媒体の販売部数に応じて出稿数が異なったり、特定候補が1つの媒体に集中して出稿していたりするのが確認できた。

   なお、調査にあたっては各紙の東京本社版、日本ABC協会が発行する2015年上期(1月~6月)の各紙販売部数(東京本社版朝刊)を参考にした。

  • 見えてきた意外な結果
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「支持政党なし」は読売に集中

   販売部数の最も多い読売新聞(約560万)には、5紙中最も多い38個の政党広告があった。ここで特筆すべきなのは、「支持政党なし」の出稿数。1週間のうちに9回も露出し、全体のおよそ23%を占めた。「支持政党なし」は読売以外、16年7月3日の日経朝刊に1度しか登場していない。出稿先の極端な偏りがうかがえる。

   他紙は、朝日(約374万部、21個)、毎日(約128万部、17個)、日経(約161万部、15個)、産経(約71万部、5個)と、おおむね部数と出稿数が比例していた。ただ、五紙とも夕刊に掲載された政党広告は確認できなかった。

   政党別では、自民党は党広告、候補別広告ともに偏りなく、読売(6個)、朝日(5個)、日経(4個)、毎日(1個)、産経(1個)と販売部数に従い出稿数を決めている印象だ。一方、政党によっては広告を出さない新聞を決めているところもあるようで、共産党は日経、民進党は産経、公明党は読売と朝日、社民党は日経と毎日と産経に1度も出稿していなかった。

   一般的に政党広告は、比例代表の名簿届出政党として出稿するもの、通常の政治活動の一環で出稿するものの2種類がある。前者は公職選挙法施行規則や公職選挙法149条に基づく出稿手続きを踏み、選挙公示後に掲載される。

政党負担か国庫負担か、選挙後でないと決まらない

   では、公職選挙法で定められた政党広告の出稿手順とはどのようなものなのか。総務省の担当者によると、まず、立候補届け出の際に総務省が各政党へ渡す「新聞広告への掲載証明書」を希望の出稿媒体に提出する必要があるのだという。

   出稿料は、政党の得票総数が有効投票数の1/100になれば「国庫負担」、それ以下であれば政党の負担になるという。つまり、選挙後でなければ国庫負担になるのか政党負担になるのか決まらないということだ。

   広告の大きさや出稿回数、金額の制限についても聞いてみた。こちらは、比例代表の候補として名簿に記載された人数により異なる。1人~8人は横38.5センチ20段以内のものを40回まで、9人~16人は横同じで28段以内のものを56回以内、17人~24人は横同じで36段以内のものを72回以内、25人以上は横同じで44段以内のものを88回以内だそう。金額は特に制限をかけていないものの、色刷りは認められず、必ず記事下に掲示しなければならないという。

   選挙に無関係の広告といわゆる「選挙広告」を見分ける上で、こうした正式の手続きを取っているかどうかを確認している。

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