中国機が空自機に「攻撃動作」と空将OB 政府は「事実ない」と反論

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   元航空自衛隊航空支援集団司令官の織田(おりた)邦男・元空将が2016年6月28日、ニュースサイト「JBPRESS」で、中国機が東シナ海で空自の戦闘機に対して攻撃動作を仕かけてきたとする記事を発表した。

   共同通信や産経新聞は、防衛省幹部が「大筋で事実関係を認めた」と報じているが、萩生田光一・官房副長官は6月29日午前の会見で、「攻撃動作をかけられたという事実はない」などと話し、情報が錯そうしている。

  • 東シナ海での中国機に対する自衛隊機のスクランブル発進が相次いでいる(写真は航空自衛隊が15年5月に撮影)
    東シナ海での中国機に対する自衛隊機のスクランブル発進が相次いでいる(写真は航空自衛隊が15年5月に撮影)
  • 東シナ海での中国機に対する自衛隊機のスクランブル発進が相次いでいる(写真は航空自衛隊が15年5月に撮影)

「近距離でのやり取りというのは、当然あったと思う」

 

   織田氏の記事は「東シナ海で一触即発の危機、ついに中国が軍事行動」と題して掲載された。記事中では事案が発生した時期は明らかにされていないが、空自スクランブル機に対し中国機が攻撃動作を仕かけてきたといい、その様子を

「攻撃動作を仕かけられた空自戦闘機は、いったんは防御機動でこれを回避したが、このままではドッグファイト(格闘戦)に巻き込まれ、不測の状態が生起しかねないと判断し、自己防御装置を使用しながら中国軍機によるミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱したという」

などと記述している。

    これに対して萩生田氏は

「6月17日金曜日に、中国軍用機が南下し、自衛隊機がスクランブル発進したことは事実。報道にあるような中国軍機による攻撃動作をかけられた、ミサイル攻撃を受けたという事実はない」

などと報道内容を否定。記者の質問に対し、「ロックオンの事実もない」とも答えた。接近した事実については、

「改めて公表するかしないかを含めて現在調査中。今日のところはコメントは控えたい」
「上空で中国機との、ある意味では近距離でのやり取りというのは、当然あったと思う」

などと述べたが、

「今回のことについては特別な行動ではないという判断をしている」

として、中国への抗議の対象には当たらないとの見方を示した。

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