子宮頸がんワクチン調査 名古屋市が「見解」事実上撤回

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   子宮頸がんワクチンの接種と副反応に関する調査を実施した名古屋市が、「接種者に有意に多い症状はなかった」とする見解を事実上撤回した。同見解は2015年12月の速報値をまとめた段階で示していたが、2016年6月18日、公式サイトで公表した最終報告書では、調査の生データを掲載するにとどまった。

   調査は15年9月に実施。接種費を補助した対象年齢に相当する14~21歳前後の市内に住む女性約7万1000人に調査票を送付し、約4割から回答を得た。

   アンケートでは、接種グループと非接種グループで症状の出方に違いがあるかを比較分析するため、体の痛みや記憶力の低下など、副反応が疑われる24の症状の有無について質問した。結果を受け、市は15年12月、両グループとの間に「有意な差はなかった」とする見解を発表。全国初の大規模な調査とあり注目を集めた。

   しかし、これに対し、薬害防止を求めるNGO団体「薬害オンブズパースン会議」や、「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」から分析方法への疑問の声が寄せられるなど、波紋を広げていた。

   市は6月18日、最終報告として回答集計の生データと自由記載内容のみを公式サイトに掲載。速報値に基づく見解はこの時点で見ることができなくなり、事実上見解を撤回した形だ。

   名古屋市の担当者は「(副反応の)実態を把握していきたいというところから始まったが、解析方法に対する意見やさまざまな議論があり、1つの市が評価する立場ではないと考えた。公開した全データを各方面の方に活用してもらえればと思う」と話した。

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