政治資金の「公私混同疑惑」で東京都の舛添要一知事を厳しく追及し、辞職まで追い込んだ東京都議らが今度は「高額海外出張」で非難にさらされている。
行き先は、およそ2か月先にオリンピックとパラリンピックが開催されるブラジル・リオデジャネイロ。随行職員と27人の都議をオリンピック開・閉会式、パラリンピック開・閉会式の4回に分けて派遣し、「現地視察」する計画だ。しかし、派遣人数を当初想定より増やしたため、視察費が予算を上回る可能性が高くなった。ネット上では「都民に顔向けできるのか?」「誰も行かなくていい」と厳しい声が上がっている。
宿泊先や飛行機の座席は「現在調整中」
J-CASTニュースの取材に応じた東京都議会局の担当者によると、2016年度予算に組み込まれていたリオ視察費は6200万円。予算を決める段階で想定されていた派遣人数は、都議と随行職員を合わせて計26人だ。しかし、16年4月14日の理事会で、都議の人数を計28人に増やすことが決定。これに反発した共産党都議団と生活者ネットワークが5人分の派遣枠を辞退したものの、5枠はそのまま自民党、民進党に再分配されてしまった。
その後、人数確定直前にかがやけTokyoが派遣枠1枠を辞退し、最終的な派遣人数は自民党16人、公明党5人、民進党4人、その他の会派2人の計27人になった。なお、かがやけTokyo所属の音喜多駿都議は6月20日のブログで、「最後に発生した辞退枠については、おそらく事務手続き上の都合もあって他の会派に割り振りすることができず、28名の予定が1名欠けて27名になった」と内情を明かしている。
とはいえ、予算段階から派遣人数は増え、共産党都議団らの配慮も「無意味」になった。議会局の担当者は、宿泊先や飛行機の座席について「現在調整中」で必要な視察費も「まだ確定していない」と話す。ただ、派遣人数が増えただけに、予算オーバーは「間違いない」と明かした。