女優で漫才師として有名な京唄子さん(88)が2016年5月25日、ヤフーの「最新急上昇ワード」上位に躍り出た。17時段階では、3位につけていた。
唄子さんらが所属していた老舗芸能プロダクション「さち子プロ」(東京都新宿区)が、5月18日に東京地裁から破産手続き開始決定を受けた、と帝国データバンクが5月25日午前に発表した影響と見られる。
2009年には涙ながらに舞台降板を語る
帝国データバンクによると、さち子プロは、1967年に設立。過去には唄子さんや、漫才トリオ「かしまし娘」の正司照枝さん、正司花枝さんのほか、女優の浅茅陽子さんら30人程度のタレントが所属していた。「厳しい業界環境が続くなか、ここにきて今回の措置となった」と説明している。負債額は調査中。また、東京商工リサーチの発表では「所属俳優の大半は別事務所へ移籍している」。
ヤフー最新急上昇ワードで、特に唄子さんに注目が集まったのは、帝国データバンクによる破産情報発表文の見出しに「過去には女優・漫才師として有名な京唄子などが所属(以下略)」とあったことも関係していそうだ。
唄子さんは、故・鳳啓助さんとの漫才コンビ「唄子・啓助」の活躍などで知られる。最近では、メディアでその姿を見かけることは少なくなっている。2009年4月には、車イス姿で記者会見し、腰椎圧迫骨折(のちに腰椎変性すべり症と判明)のために松竹座公演を降板することについて、涙ながらに語っていた。その後、2010年秋には、TBSの人気ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」に出演した。
また、芸歴70年を迎えた2015年には、共同通信の電話インタビューに応じ、自身の芸の道を振り返った。インタビューは、7月の西日本新聞などに掲載された。このインタビューの中で唄子さんは、09年の腰椎のトラブル以降、徐々に舞台から遠ざかり、「今でも依頼をいただきますけど、舞台にはもう出ません。京唄子という名前を裏切ることはできませんからね」と話していた。
帝国データバンクのネット発表文に対しては、「京唄子先生も最近、お見かけしないなあ...」と、気遣う声が寄せられていた。