相次ぐ「爆破予告」で岸和田市が一時マヒ状態に 共通する犯行文体で浮かび上がる「集団」の影

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   全国の自治体がネット上の「爆破予告」に悩まされている。今度は大阪府岸和田市で、保育園や小中学校を含む市の施設約100か所が閉鎖される事態となった。

   一連の「爆破予告」は文体からある特定の集団による犯行の可能性が強い。たった数か月前、ほとんど同じ事例で逮捕者も出ている。

  • 目的は何なのか……(画像はイメージ)
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独特の文体、予告時間の共通性

   岸和田市は2016年5月17日、市内の小中学校や保育園を18日に爆破するといった趣旨の書き込みがネット上に投稿された、と公式サイトで発表。同日は市役所を閉庁し、教育施設計約100か所を休校、休園させた。予告時間を過ぎても爆発は起こらなかったが、地方自治体の行政機能が一時的に麻痺したのは間違いない。

   書き込み主は、実在の弁護士名をかたって「高性能な爆薬を40298個仕掛けた」と宣言。18日8時10分から15時34分までの間に多数の死者が出ると予告した。そして、「人が人に優しい世界を作るためには仕方ないナリ」「当職は本気ナリよ 覚悟しろナリ 全員ポアナリ」「パズルのピースが埋まっていく」などと予告文に記した。

   「~ナリ」という独特の語尾や、予告時間の3時(15時)34分、実在する弁護士名の詐称など、数日前に関西学院大学(兵庫県西宮市)や立命館大学(京都市中京区)を標的にして休校に追い込んだ爆破予告と共通した文体だ。

   実は、こうした特徴的な言葉や文体を使う集団がネット上にいる。15年4月、グーグルマップを改ざんして話題を集めた人々だ。自分たちのグループに、東京都内に実在する法律事務所名に由来する名前をつけており、一連の「~ナリ」という文体を使う。ネットの名誉棄損案件を専門とする法律事務所所属の弁護士が、掲示板サイト「2ちゃんねる」で起こした騒動をきっかけに生まれたと考えられるが、その集団と法律事務所や弁護士は関係がない。

2か月前には爆破予告で大学生逮捕

   その集団と思われる人たちの間では以前から、弁護士の名前をかたった様々なイタズラが繰り返され、2ちゃんねるやSNSで報告されていた。

   2か月前にも似たような爆破予告が話題となり、威力業務妨害容疑で埼玉県上尾市の大学生(20)の男が千葉県警に逮捕されている(その後別件で起訴)。

   男は15年6月から全国の県庁や市役所などに爆破予告のメールを送り、「飽きたから」として千葉県警松戸東署に自首。予告文はすべて、語尾の「~ナリ」や予告時間の3時(15時)34分といった今回と同じ特徴を持っていた。

   男は逮捕前、FNNのインタビューに「何度も何度も同じような予告を行っていて、文体も同じだった」と明かし、「起こりもしない予告に何度も何度も真面目に対応している役所を見ると滑稽でしかない」などと話していた。

   関西の各大学や岸和田市への爆破予告はそうした事情、背景を知る人物の犯行とみられるが、18日夕方現在、関西の事件での犯人は捕まっていない。また、こうした集団が関与しているのか、模倣犯なのかも明らかになっていない。

   ネット上では

「いい加減飽きた」

と呆れる声も相次いでいるが、「爆破予告」が重大な影響を引き起こし続けている。

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