日産、韓国で「排ガスに不正」と販売停止命令 「嫌がらせかも」陰謀説も噴き出す騒ぎに

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   また、自動車メーカーの「不正」問題が浮上した。韓国・環境省は、日産自動車(韓国日産)が販売しているスポーツ用多目的車(SUV)、「(QASHQAI(キャシュカイ)」の排出ガス低減装置に不正が見つかったと、2016年5月16日に発表した。

   日産自動車によると、「キャシュカイ」は2015年に韓国で1900台を販売。このうちの814台で不正があったと指摘されたという。

  • 韓国日産、「キャシュカイ」で排ガス不正か?
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日産「否定」するも、現地法人の日本人社長を刑事告発へ

   2016年5月16日付の韓国の地元紙、聯合ニュースは、韓国・環境部が、独フォルクスワーゲン(VW)の排出ガスの規制逃れ問題を受けて、2015年12月から16年4月まで韓国で販売された20車種のディーゼル車を調査したところ、現地法人の韓国日産が「キャシュカイ」の排出ガス量を「不正に操作する任意の設定を行ったと判断した」と報じた。

   排出ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)量が基準の10倍を超えていることがわかった。ほかの19車種では、不正は確認されなかったという。

   「キャシュカイ」に搭載された窒素酸化物の排出量を減らす「排出ガス再循環装置」が、エンジンが一定の温度を超えると停止する設定になっていたことを確認したという。この装置は2010年以降、主にディーゼル車に装着されていて、排出ガスの一部を燃焼室に再流入させて燃焼温度を下げることで窒素酸化物の排出量を減らす仕組み。装置が作動すると燃費も悪くなるとされる。

   この装置について、韓国・環境部は「一般的な運転条件で排出ガス部品の機能低下を禁じる任意設定規定に違反する」と指摘。行政手続法に基づき、韓国日産に対して、任意設定違反の事前通知を行った。課徴金3億3000万ウォン(約3000万円)を賦課するうえ、販売停止を命令。すでに販売された814台はすべてリコール(無償回収・修理)の対象とする。さらに、韓国日産の菊池毅彦社長を刑事告発する方針という。

   「キャシュカイ」は、日本でも2014年まで「デュアリス」の名称で販売していたSUV。欧州では人気の車種だ。J‐CASTニュースの取材に対して日産自動車は、不正が指摘されている韓国を走る「キャシュカイ」は、欧州で生産され、韓国向けに輸出している車両で、「欧州の排ガス規制に適合していますし、認証も得ています」と説明する。

   韓国でも「認証を得ていました」が、2015年の韓国で販売された「キャシュカイ」の一部に不正の指摘があることから、「欧州のEURO6(EUが定める大気汚染物質の排出基準で、2015年秋から適用)に適合している車両が対象車のようでもあるので、なにかが韓国のレギュレーションに合わなかったのかもしれません」と、困惑している。

   ディーゼル車が普及している欧州では、一般的に排ガス規制も厳しいとされる。その欧州で適合している車両が、韓国で不正の指摘を受けるとは思いもよらなかったのかもしれない。

「おいおい、三菱自を救済してる場合かよ・・・」

   こうした報道を受けて、インターネットには、

「またやらかしたか。最近は日本車もこんなんばっかだな」
 「韓国が自国の産業を守るためにヤリ玉にあげたんちゃうの? 別の機関が再検査すれば面白い結果になりそうわw」
 「やっちゃった日産www」
 「ホントは他車も同じじゃね? ただの嫌がらせかもよ」
 「これ日本車を追い出すためにハメられたんだと思う」

といった声が寄せられ、韓国「陰謀説」まで飛び出した。

   さらには、

「おいおい、三菱自を救済してる場合かよ・・・」
「あれ、たしかヒュンダイって三菱自から技術提供してもらったんじゃ... ホントは三菱自を貶めるのが目的なんじゃね?」

と、日産自動車が燃費データの不正問題で揺れる三菱自動車を傘下に置くことにも影響するのではないか、と懸念する声もみられる。

   日産自動車は、

「当社はいかなる無効化機能も不正な機能も、これまで、また現在も使用したことはありません」

と不正を否定。そのうえで、

「韓国当局による結論は、欧州での規制に基づく結論と一致するものではありませんが、今後の対応については慎重に評価、検討していきます」

と話し、韓国当局との話し合いを続けていくとしている。

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