トイレで用を足すとき、「第三者の視線」に注意する人は少ないかもしれない。しかし、思わぬ場所にこっそりカメラが仕掛けられているのを発見したら、穏やかではいられないだろう。
そんな恐ろしい体験談が今、ネット上で拡散されている。カメラは衣類や手荷物を掛ける「フック」の形に似せたもの。様々な通販サイトに、1万円前後の比較的手ごろな値段で売られている。
「ネカフェでバイトしてた時に見た」との声も...
2016年4月24日、女性のツイッターユーザーがこんな投稿をした。
「今日行ったお店の男女兼用トイレに貼ってあった盗撮機特定しました......! 怪しい位置に弱粘着テープで固定されていて、 黒くて目立ちませんが音符マークに小さな穴があります!外出でのトイレ使用時にはご注意を......!!」
詳しい場所や店舗の種類は明かしていないものの、ある店舗のトイレで用を足そうとした時に「怪しい」フックを発見。子細に調べると、レンズが取りつけられた穴を発見したという。股間を真正面から撮影できるほど低い位置にとりつけられている様子、上部に不自然な穴があけられている様子をイラスト付きで報告している。
また、商品を特定したとして、ネット上にある販売ぺージのスクリーンショットも投稿している。
ツイートは急速に拡散。26日17時までに2万6000回リツイートされている。これに対し、
「ネカフェでバイトしてた時に発見した」
「どこかのトイレで見た記憶がある」
といった「目撃情報」も寄せられている。
リモコンで遠隔操作、映像はマイクロSDに保存
J-CASTニュースが調べたところ、ツイート主がスクリーンショットで示したものと同じ形のカメラが「Amazon」を含む様々なウエブサイトで販売されていた。値段はいずれも、1万円前後。
なお、販売ページには「盗撮および盗聴は違法行為です」といった趣旨の注意書きも記されていた。
商品説明を読む限り、使い方はシンプル。リモコンによる遠隔操作で作動し、本体に内蔵されているマイクロSDカードに映像が保存される。これ1台で静止画を撮影したり、録音したりもできる。Amazonで検索すると、同じフック型でも、衣装掛けに似せた形のカメラも見つかった。こちらは、5000円以下の安価な商品が目立った。
カモフラージュ性も高く、防犯対策などにその威力を発揮しそうなフック型カメラ。しかし、それを使っての盗撮行為は各都道府県の迷惑防止条例など抵触する可能性が高く、過去には逮捕者も出ている。
14年7月、滋賀県大津市内の宿泊施設に勤務する男が施設の風呂場脱衣所にフック型の小型カメラを仕掛け、宿泊客の女子高生を撮影。男は同年8月、児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕されている。
15年1月には、愛知県の市立中教諭が勤務先の中学校の女子トイレにフック型の小型カメラを仕掛け、建造物侵入の疑いで逮捕された。