2回の震度7の大きな揺れに見舞われた熊本地震。今なお、多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされているなか、インターネットで、被災者とみられる人らの「千羽鶴はいらない」との声に激怒する人たちが現れた。
「千羽鶴」は古着や生鮮食品、応援メッセージの寄せ書きなどとともに、被災地が「ありがた迷惑なモノ」の一つとされ、阪神・淡路大震災や東日本大震災などを経験したという人たちが「(被災地に)送らないほうがいい」モノとして呼びかけていた。
熊本市は支援物資の受け入れを一時中断
熊本市は2016年4月23日以降、支援物資の受け入れを一時中断している。熊本市に寄せられた支援物資は、「うまかな・よかなスタジアム」(熊本県民総合運動公園陸上競技場)で荷受けしていったん集められ、仕分けされた後に避難所に届けられる。
「一時中断」の判断は、支援物資が集まりすぎて、集積所のスタジアムが満杯になったことに加えて、最初の震度7を記録した4月14日からまもなく2週間が経ち、状況が「なんとか落ち着いてきた」(熊本市地域政策課)ことがある。
支援物資の受け入れは4月27日現在も中断しているが、市地域政策課は「(一時中断したことで)受け入れた分の仕分けがようやく終わりそうで、今ある支援物資を避難所に届けることにマンパワーを投入しているところです」と説明する。
食料などは、流通網の回復や企業との連携で納品が進み、軌道に乗りはじめている。被災直後には避難生活を送っている市民が約10万人いたが、ライフラインの回復で26日現在には2万984人にまで減ってきたこともある。避難所から自宅などに戻った市民については、不足した物資があれば避難所に取りに来ることで配布している。
「避難所には『オーダー表』を用意して、必要なモノ、不足して困っているモノを書き込んでもらっています。それに基づいてお願いして用意して、できるだけ早くにお渡しできるようにしています」
そうした中で、被災地が「ありがた迷惑なモノ」とされた「千羽鶴」が、インターネットで再び注目されている。被災地の「千羽鶴はいらない」との声に激怒する人たちが、声をあげたことがきっかけのようだ。
「被災者がホントにそう思っているんだとしたら、完全に腐ってる!」
「善意を踏みにじるのかよ。その人の気持ちを考えろ!」
「ちょっと傲慢じゃない? これじゃあ支援する気すらなくなるよ」
「確かに実用的でないけど、そこには善意や思いがあるんじゃないのかよ。助けてもらっといて、随分と薄情だね」
といった具合だ。