市販薬でも、使い方を間違えれば危険が
「ロキソニンS」を販売している第一三共ヘルスケアでは、取材に対し、次のように説明する。
「こちらの商品では、今回の副作用の症例は、1件も出ていません。医療用のとは、そもそも使い方が違います。医療用では、慢性リウマチなどの治療で長期に渡って使うケースになりますが、一般用のは、頭痛や生理痛などになったら1錠飲むという使い方になるからです」
ほかの症例では、副作用がまったくないわけではなく、胃の調子が悪くなるといった症状は出るとした。重大な副作用が出たケースは、今までにないという。
もっとも、一般用のロキソニンも、ロキソプロフェンという薬の成分を含んでいることには、医療用と変わりはない。
厚労省の安全対策課でも、「長期にわたって服用し続けるなど、一般用でも使い方によっては、重大な副作用が出ることはありえます」と取材に認めた。今回の症例では、どのくらいの頻度で服用すると副作用が出たのかなどについては、「患者の個人情報に関わりますので、詳細な経過については公開していません」と答えた。
なお、医療用のロキソニンについては、厚労省が2000年、3年間で8例の症例が出たとして、肝機能障害を重大な副作用に追記するよう指示を出している。このときは、うち2例で患者が死亡していた。
一般用については、厚労省の部会で14年、注意事項を説明する薬剤師がいなくても販売できる第2類に分類することが提案されたが、妊婦が服用すれば胎児が死亡する懸念があるとして第1類に据え置かれている。