ミスドの「100円セール」一斉になくなる? ネットに広がる「悲鳴」と「誤解」

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   ドーナツ専門のチェーン店「ミスタードーナツ」が、不定期に1週間程度実施している、ドーナツの「100円セール」がなくなると、インターネットで話題になっている。

   セール中は、対象のドーナツが1個108円、パイなどが129円と安価で食べられるので、「ミスド」ファンには好評だった。その一方で、人気の「ポン・デ・リング」や「オールドファッション」などの主力商品を「1~2割値下げ」して販売するという。

  •  「100円セール、なくなっちゃう!」と、ネットには悲鳴が… (画像は、「ミスタードーナツ」のホームページのスクリーンショット)
    「100円セール、なくなっちゃう!」と、ネットには悲鳴が… (画像は、「ミスタードーナツ」のホームページのスクリーンショット)
  •  「100円セール、なくなっちゃう!」と、ネットには悲鳴が… (画像は、「ミスタードーナツ」のホームページのスクリーンショット)

「100円セール」やめたのは現在12か店だけ

   「ミスタードーナツが『100円セール』をやめてしまう」――。インターネットに、そんな声が広がったのは、日本経済新聞が「『ミスド』主力6品を1~2割値下げ コンビニとの競争激化」を報じた2016年3月18日(電子版)のこと。

   ここ数年来、コンビニエンスストア大手がドーナツの店頭販売をはじめたのをきっかけに、「ミスド」を運営するダスキンは、食感などを工夫してコンビニと棲み分ける戦略をとっている。そうした背景もあり、記事ではミスドが「質を高めつつ値下げに踏み切ることで、(コンビニとの)競争に拍車がかかりそう」と伝えていた。

   値下げの対象は、人気が高い「ポン・デ・リング」や定番ドーナツの「オールドファッション」など6商品で、現在140円の商品は108円に、162円と151円の商品はともに129円に値下げする。

   ダスキンは、「報道が先行してしまい、全店で『値下げ』、あるいは一斉に『100円セール』をやめてしまうかのような、誤解を招いているようです」と話した。

   ダスキンは、2015年4月に「ひと味違う、つくりたてのドーナツを食べられる」という、食感を工夫した新製品と、手づくりや揚げたてのイメージを強調する「高付加価値」戦略を打ち出し、商品をテコ入れ。同10月には、今後5年間で全国1300か店のうち、フランチャイズ(FC)店を含めた最大1000店舗の改装に乗り出す考えを明らかにしていた。

   「お客様から、『粉から手づくりでドーナツをつくっているのがミスドの魅力なのに...』との声をいただいたことから、外から厨房が見えるようにガラス張りにして、手づくりのようすを伝えます。わざわざ選んで利用していただいている、その魅力を前面に押し出していこうと考えています」と話す。

   計画では2020年までに、1年間に約200店舗ずつ改装していくことになる。ダスキンによると、「100円セール」がなくなり、6つの商品が値下げ販売されているのは、「店舗改装を終えた店舗からになります」という。

   つまり、現在は12か店で「100円セール」がなくなっただけ。当面はまだ実施する店舗のほうが多く、1000店舗の改装が終わるまでは店舗によって価格がバラつくことにもなる。

新たな店づくり、「今後はパスタ類の提供も検討」

   とはいえ、インターネットには、

「安くなるっていっても10円くらいでしょ。『100円セール』なくなるほうが痛いわ」
「ミスドは『100円セール』と、珈琲おかわり自由が売りでしょうよ。なのに、なんでよ」
「そっか、実質値上げか・・・」

などと残念がる声や、なかには、

「値下げでまた小さくなるのか。20年前に比べてかなり小さくなってビックリしたわ」
「どうせ小さくしておいて、値下げしましたって言うんやろ 」

といった、ドーナツの大きさに言及する向きもある。

   一方、コンビニエンスストア大手も攻勢の手を緩めない。セブン‐イレブン・ジャパンは2014年に販売を始めた「セブンカフェドーナツ」を、16年1月に刷新。新たに発売した「チョコ&ナッツドーナツ」(130円)や「濃厚キャラメルドーナツ」(138円)では高級感をアピール。主力の「チョコオールドファッション」(100円)などは価格を据え置きながら製造方法を見直すなどのテコ入れで、インターネットにも、

「やっぱ、影響してるんやろな。最近セブンの(ドーナツ)食ったけど、うまくなってたもんなぁ」
「コンビニと比べちゃうとねぇ... ドーナツは『100円』だな」

などの書き込みがみられる。

   コンビニのドーナツの評判は上々のようだ。

   ダスキンは今回の「値下げ」について、「コンビニに対抗するものではありません」と話す。「そもそも顧客層が異なりますし、しっかりと棲み分けができています。商品もバラエティーに富んでいますし、そのあたりをしっかり訴求していきたいと考えています」という。

   メニューでは、カフェタイプの店舗では現在の飲茶に加えて、「今後はパスタ類の提供も検討。その一方で駅などではテイクアウトの店舗など、立地にあった店づくりを目指しています」と話している。

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