四谷学院CM「偏差値29でも北大医学部に」が炎上 生徒は「偏差値74」東大寺学園出身だった

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   偏差値29の学生でも、北海道大学医学部に合格できる――。大学受験予備校の四谷学院のCMで、低偏差値からの「大逆転劇」のような切り口で紹介されている生徒が、実は全国屈指の名門進学高校「東大寺学園」の出身だった。こんな指摘がツイッターに登場し、炎上状態になっている。

   「家庭教師のトライ」で知られるトライグループの公式サイトによると、東大寺学園の偏差値は「74」だ。

  • 「ビリギャル」騒動が再び?(画像は四谷学院公式サイト)
    「ビリギャル」騒動が再び?(画像は四谷学院公式サイト)
  • 「ビリギャル」騒動が再び?(画像は四谷学院公式サイト)

「灘」に次ぐ関西有数の進学校

   難関大学に合格した実在の予備校生が登場し、受験にまつわるエピソードを語る四谷学院のテレビCM。10年以上前から同じ形式を続ける「定番CM」の1つだが、2016年2月初旬から放送されている新しいバージョンにネットで批判が集まることになった。

   問題のCMでは、15年4月に北海道大学の医学部に合格したという生徒が「偏差値29からのスタートだったんです......」と語り始める。続けて、四谷学院ならば基礎から1つずつ積みあげて勉強できると語り、「偏差値29」でも効率的に学べるとアピール。最終的には、「(四谷学院が)人生のターニングポイントになりました」とまで語っている。

   全く勉強のできない学生でも、四谷学院に通うことで成績が急上昇、難関大の医学部に合格を果たした――。そんな「大逆転劇」のように受け取れるこのCMは、これまでも「四谷学院すごすぎ」「ビリギャルより凄い」などとネット上で話題を集めていた。

   だが、あるネットユーザーが2016年3月4日、このCMに対して鋭い指摘を寄せた。CMの中で偏差値29と紹介されていた生徒が、実は全国屈指の進学校「東大寺学園」出身だったことを発見。その内容をツイッターへ投稿したことで、翌5日には5000回以上のリツイートを記録するなど大きな注目を集めた。

   東大寺学園は偏差値70を超える奈良の名門高校で、15年の進学実績によると卒業生の合わせて3割近くが東大か京大に進学している。関西では「灘」に次ぐといわれる進学校だ。ちなみに、北大医学部の偏差値は大手予備校4校(東進、河合塾、駿台、代ゼミ)調べで67~69だった。

四谷学院は「逆転合格は事実」と主張

   四谷学院のCMでは彼の「偏差値29」という部分だけが取り上げられ、そうした進学校に在籍していたことには一切触れていない。そのため、ネット上では、

「嘘は言ってないけどなんか騙された感あるわ」
「四谷学院めっちゃ凄いと思ったけど嘘だったんか」
「偏差値72の高校で校内偏差値29の落ちこぼれでもしっかり合格させます!って正直に言えば良かったのに」

といった批判的な声が相次いで上がった。なかには、「偏差値詐欺みたい」「詐欺感ハンパない」と強い語調で非難するユーザーも少なくない。

   四谷学院を運営するブレーンバンクはJ-CASTニュースの取材に対し、該当する生徒が東大寺学園出身であることを認めた上で、「彼が四谷学院に入学する前、全国模試で偏差値29だったことは事実です」「パンフレットでは彼が東大寺学園出身であることも明記しており、進学校出身だった事実を隠してもおりません」「彼は自身の成功体験を後輩に伝えたいという思いでCMに出演してくれました。進学校出身だからといって、逆転合格の事実に違いはありません」と答えた。

   また、今回の騒動から、13年に発売されたノンフィクション小説「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(著・坪田信貴、KADOKAWA)を思い出した人も多いようだ。

   この作品は、偏差値30の女子高生が1年半で劇的に学力を上げ慶應義塾大学に合格する様を描いたもので、100万部を超えるベストセラーとなった。だが、実際のところ主人公は「偏差値60を超える県内有数の進学校のなかで、一時的に落ちこぼれていただけであって、元々は優秀な生徒だった」とされ、こうしたことが分かると、ネット上では「題名詐欺」「誇大広告やめろ」などと批判が殺到、いわゆる「炎上状態」になっていた。

   ネット上では「ビリギャルと同じオチ」「これで騙される奴はビリギャルが流行った時から何も学んでない」などといった声が上がっている。

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