NHKが公開していた「受信料長州力」のティザーサイト(公式開設前の予告サイト)に、突然、新サイト開設中止のお知らせが掲載された。
新サイトではプロレスラーの長州力さんが案内役となり、若者に受信料制度への理解を深めてもらい、受信契約の手続きを促すような内容を検討していたそうだが、「私どもの意図について正しくお伝えすることが難しい」という結論に至ったという。ネットでは、「長州と(強制)徴収をかけているのか」などと反発の声も挙がっていた。
「視聴者の皆様から様々なご意見をいただきました」
ティザーサイトが公開されたのは2016年2月29日のこと。NHK広報局の公式ツイッターは同日、
「NHKの受信契約はお済みですか?なに? まだだって?お前の新生活、いいスタート、キレてないですよ!?はやく『受信料長州力』で、アレしなきゃダメだ! コラ!」
と、長州さんの口調をまねながらこれを告知していた。
サイトには「受信料長州力(ジュシンリョウチョウシュウリキ)」という大きな文字とともに長州さんの写真が掲載され、「2016.03.14 長州力がパワーホール全開でNHKのド真ん中に立つぞ!」などと記されていた。
ところが3月4日、突然、下記のお知らせ文が掲載された。
「3月14日に開設を予定していたこのサイトは、長州力さんが案内役となって若い方々に公共放送の役割や受信料制度への理解を深めていただき、受信契約の手続きをしていただけるような内容を検討していました。しかし、予告したところ、視聴者の皆さまから様々なご意見をいただきました。このままサイトを開設しても、私どもの意図について正しくお伝えすることが難しいと考え、開設を中止しました」
ティザーサイト公開後、インターネット上では「長州」と「徴収」をかけているのではないかという指摘があがることに。「受信料を力ずくでも徴収してやる!」という宣戦布告ではないか、として批判的な意見も寄せられていた。
NHKは「『徴収』などという言葉は使いません」と説明
NHK広報局は3月1日、J-CASTニュースの取材に「長州」と「徴収」は全く関係がないと説明。
「そもそも私どもは受信料を『お支払い頂いている』という言い方をしています。税金ではないんですから『徴収』などという言葉は使いません」
とコメントしていた。
しかしその後も批判は収まらず、J-CASTニュース記事「NHKは受診料を力ずくで『徴収』する気か HP『長州力』画像に『宣戦布告だ!』と批判殺到」(3月1日配信)のコメント欄にも
「超好意的に解釈して、本当に徴収と掛けておらず、たまたま他の理由で長州力さんを使ったのだとして、このような誤解を受けることは容易に予測できたと思います」
「ふざけるなよ!この画像はどう考えても上から目線で『お前ら払わんかい』と脅しているとしか見えない」
といった意見が投稿されていた。
すると4日夕、NHK広報局の担当者がJ-CASTニュースに直接電話で中止を知らせた。
なお、複数のスポーツ紙によると、同局の籾井勝人会長は3日の定例会見でサイトについて聞かれ、「僕はまだ見たことがない」と答えたという。