首都高速道路が、2016年4月から高速料金を値上げする。普通車の場合、ETC(電子料金収受システム)を搭載したクルマは、下限の300円から走行距離に応じて段階的に加算され、上限が1300円になる。
上限930円の現行料金から、370円もの大幅な値上がりに、インターネットにもドライバーらの「悲鳴」が多く寄せられている。
ETCで近距離なら安くはなるが......
首都高道路会社は、2016年2月5日に首都高の新たな料金(案)を公表。国土交通省の認可を待って、4月から適用する。
新しい高速料金体系は、ETCを搭載する普通車の場合、現行の「6キロごとに加算」から、「0.1キロごとに10円単位で加算」に移行する。首都高を利用する距離が近いほど安くなる仕組みだ。
この結果、利用距離が4.3キロメートル以下の下限の場合は、現行の510円から300円に値下げになる。しかし、35.6キロメートル超の上限の料金は、現行の930円が1300円に値上げされる。しかも、現金で支払う場合は一部の区間を除き、一律1300円になる。
たとえば、首都高3号線の池尻‐三軒茶屋(0.6キロメートルの距離)間は、現行で510円かかるが、4月からはETCを使えば300円で済む。
新しい料金体系は、より細かく加算していく仕組みなので、たとえば三軒茶屋から銀座までの12.4キロメートルでも現行の720円が560円に値下がり。首都高に乗った料金所を起点に20キロメートル以内の距離でも、「一部を除き、安くなります」と首都高・料金企画課では話している。
一方、首都高の最北にあたる埼玉新都心線のさいたま見沼(さいたま市)と、南端にあたる湾岸線幸浦(横浜市)の86.4キロメートルの区間は、現行の930円が1300円になる。
首都高道路会社は4月からの料金値上げについて、「高速道路の建設費用は借入れで賄われています。高速料金はその返済原資になります」と説明。借金返済のためにはやむを得ないと理解を求める。
とはいえ、上限の「1300円」はいかにも高い。あるツイッターユーザーは、
「ディズニーの値上げより首都高の値上げが深刻だろ」
とつぶやいた。
たしかに輸送コストが上昇すれば、モノの値段も上がるし、人の往来も滞りがちになる。消費意欲も落ちるので、景気にはマイナスだ。ディズニーランドで遊びたいと思っている人も、入場料と交通費(高速料金)の二重の値上げでは、足が遠のくことになるかもしれない。