報道番組「みんなのニュース」(フジテレビ系)で、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕された元プロ野球選手、清原和博容疑者(48)の映像が誤って流れるシーンがあった。
映像は、日本最大の指定暴力団「六代目山口組」の最高幹部逮捕を伝えるニュースで使われた。「清原容疑者が今回逮捕された幹部なのか?」「幹部の逮捕と、清原容疑者の事件とに関係があるのか?」と視聴者が誤解しかねない字幕も入り、ネットでは「酷すぎやろ」といった反応が広がっている。不謹慎ながら、思わず笑ってしまったという人もいる。
伊藤アナ、慌てて「これ、まったく違うニュースです」
問題のシーンは2016年2月19日の放送回で飛び出した。番組開始から約2時間10分が経過し、夕方の時間帯だった。椿原慶子アナウンサーがCM入り前に「この後は、分裂騒動に揺れる山口組にまたも激震」とコメントを読む最中、なぜか清原容疑者が歩いたり、タバコを吸ったりしている映像が流れた。
本来映し出されるはずだったのは、山口組直系「極心連合会」(東大阪市)の会長で、組内で若頭に次ぐナンバー3の統括委員長を務める姜弘文(通称・橋本弘文)容疑者だ。自動車購入の際に使用者名を偽って登録した電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで、2月19日、大阪府警に逮捕された。
「清原映像」は5秒ほど流れ、同時に「山口組ナンバー3が逮捕」という字幕も表示された。清原容疑者が「山口組ナンバー3」であるかのような印象を視聴者に与えかねないタイミングだった。
CM明けには、伊藤利尋アナウンサーが「先ほど清原容疑者の映像に山口組ナンバー3という字幕が出ました」と説明し、「大変失礼致しました」と謝罪。「これ、まったく違うニュースです」と手ぶりを交えて強調した後、「では、山口組ナンバー3逮捕のニュースです」と仕切り直した。
「奇跡的な間違いすぎる」
もっとも、清原容疑者は、覚醒剤を入手する過程で暴力団関係者に接触したと報じられており、一部週刊誌では山口組系の団体の名前も挙がっている。こうしたこともあってか、映像と字幕を見た人の中には、清原容疑者と「山口組」を一瞬結び付けてしまった人もいるようで、誤用だと分かると、ツイッターでは、
「フジテレビ、酷すぎやろ」
「複雑な気持ち」
「奇跡的な間違いすぎる」
と戸惑いの声が広がった。中には、
「めちゃ笑ったわwwwwww」
という人も。
清原映像が再度流れたのは、その約15分後。清原容疑者が東京メトロ南北線・白金高輪駅付近で密売人から覚醒剤を購入していたと伝えるニュースの中で、先ほどと同じ映像が使われた。編集の段階で、本来使うべきタイミングの少し前に映像を挿入してしまったようだ。
ちなみに、ミスはこれだけではなかった。番組開始から2時間が経過した頃にも、安倍晋三首相と野田佳彦前首相の国会討論を伝えるVTRに突然「速報 W杯2季ぶり3回目 女子ジャンプ高梨沙羅が総合優勝」という字幕が表示された。清原容疑者の映像が誤って流れたのは、そこからおよそ2分後。伊藤アナが「一部違う字幕が出ました。大変失礼しました」と謝罪してすぐのタイミングだった。