今夏の参院選比例代表の候補として、自民党が女性アイドルグループ「SPEED」元メンバーの今井絵理子氏(32)を擁立する方向だと新聞各紙が報じた。今井氏は沖縄出身で、地元などでは様々な憶測が出ている。
SPEEDは、メンバー4人がまだ小中学生だった1996年にデビューし、「White Love」などの大ヒット曲を生んだ。2000年に解散したが、その後も再結成を繰り返している。
今井氏を前面に立てて移設反対派をかわす?
今井絵理子氏は、07年にパンクバンド「175R」のSHOGOさん(35)と離婚後は、シングルマザーとして聴覚障害のある長男(11)を育てている。福祉ボランティアにも熱心で、覚えた手話を生かした活動などもしている。
最初に報じた産経新聞の16年2月5日付記事によると、今井絵理子氏は、そうした経験を生かして、参院選では、社会保障政策の充実などを訴えるという。改選時期を迎える沖縄選挙区の島尻安伊子沖縄北方相(50)と選挙戦で共闘し、浮動票の取り込みを目指すとしている。
島尻氏はこの日の会見で、報道で知っただけだとしながらも、「同じ女性議員としてうれしい」と述べた。自民党の谷垣禎一幹事長は会見で「私は存じない」としたが、石破茂地方創生相は「非常にいいことだ」と期待感を示した。
自民党が知名度のある今井氏擁立に動いていることについて、ネット上では、ある憶測が飛び交っている。
米軍普天間基地の移設を巡って沖縄県の翁長雄志知事と対立し、地元では、移設反対の声も依然として多い。島尻氏も苦戦の見通しが伝えられており、選挙戦では、今井氏を前面に立てて基地問題から目を逸らさせる思惑があるのではとの見方だ。