奈良市にあるCD・レコード店の「メディアステーションBIG」が閉店する。同店はイトーヨーカドー奈良店にあり、市内で最大かつ最後のCDショップという。
老舗のレコード店「ジャンゴレコード」のオーナー、松田太郎さんはツイッターで、「市民の方がたとえば三代目JSBや西野カナやジャニーズやKPOP、ワンダイレクションやテイラースウィフトなどの発売日にCDを買いたいと思っても、もう店がない」と嘆いた。
街のレコード店は300店舗割れ・・・
奈良市餅飯殿町にある「ジャンゴレコード」の松田太郎さんは2016年1月15日付のツイッターで、
「いわゆる街のCD屋はことごとく、すべて潰れ、HMVやJEUGIAも潰れ、CD併売の書店も次々閉店。ごく一般的な目線では奈良市のCD店はこれで全滅です」
と、つぶやいた。
イトーヨーカドー奈良店にある「メディアステーションBIG」には、「最終営業日は1月24日」「在庫処分SALE!! 10%~50%OFF」の貼り紙が閉店を伝えている。
松田さんは、「ショックでした。一般のCDショップが、本当にこれでなくなってしまいます」とこぼす。
奈良市内には、CD・DVDレンタルのTSUTAYAやGEOの新譜販売はまだあるし、家電量販店や書店に併設されたCDコーナーも残っているが、戦前からあった、「昔ながらの街のレコード店」が消えてしまうということらしい。
そんなジャンゴレコードのつぶやきに、1月18日時点で5000を超えるリツイートが寄せられている。
「レコード店が次々となくなって行くなか、なんとか生き残って欲しかったのに...」
「高校時代によく通ったのに。音楽との出会いはいつもここから」
「どこの店ですか?CDショップ閉店とかショックです」
といった、驚きと惜しむ声が相次いでいる。
なかには、「ジャンゴレコード」が閉店してしまうと勘違いした人もいたようだが、松田さんは「他人事ではありません。うちもいつどうなるか、わかりません」と話している。
たしかに地方都市、しかも県庁所在地からCDショップが消えるというのは、CDやレコードに慣れ親しんできた音楽ファンには大きなショック。しかし、CDショップは全国的に減少しているようだ。
日本レコード協会によると、CDショップ(月商1万円以上、書籍やDVD、レンタルとの兼業を含む)の数は5964件(2014年12月時点)で、13年から約1%減った。
また個人経営の、いわゆる街のCD・レコード店が組織する日本レコード商業組合の会員数は2015年から10店舗ほど減少して、現在293か店(16年1月)。とうとう300件を割り込んだ。「もう10年以上も減少傾向にあり、市内からお店がなくなるという話はよく聞きます」と、奈良市のようなケースは珍しくなくなったという。
一方、CD・DVDショップ大手の新星堂は、全国に130か店(直営店)を構えている。店舗数について、「ここ2年はほぼ横ばいで推移していますが、店舗を移転や売り場の縮小などの見直しを進めています。流れとしては減少傾向にあります」と話している。