「猫は不妊・去勢手術して屋内飼い」 新潟県条例に「虐待だ」と愛猫家噛みつく

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   「猫は不妊・去勢手術をして、屋内で飼うべき」――。こんな飼育基準を盛り込んだ新潟県の動物愛護条例の改正案が、ネットで賛否を呼んでいる。

   猫の殺処分数を減らすための施策で、罰則は設けず飼い主の努力を促す内容だというが、一部の愛猫家からは「動物虐待だ」と過激な声があがっている。

  • 猫の飼い方をめぐる条例が賛否呼ぶ
    猫の飼い方をめぐる条例が賛否呼ぶ
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「屋内飼育を行うなど周辺環境の保全に努めること」

   新潟県がこのほど作成した改正案では、猫の飼い主は「屋内飼育を行うなど周辺環境の保全に努めること」と、「繁殖制限措置を講ずるよう努めること」が求められる。放し飼いによる予期せぬ繁殖を防ぎ、猫の殺処分を減らすことが目的だ。改正案は16年2月の県議会定例会に提出し、7月の施行を目指しているという。

   こうした改正案に、一部の愛猫家が噛みついた。ネット上には、

「室内飼いなんて虐待みたいで嫌だ」
「は?屋内飼い、不妊・去勢しておいてどこが動物愛護なんだ?猫に対する虐待だろ」
「猫の自由に生きる権利を剥奪してはいけない」

など、過激な意見が次々と書き込まれている。

   一方で、「猫を飼う際に不妊や去勢するのは当たり前」「そもそも猫は放し飼いOKというのが間違っている」といった冷静な見方をする人も少なくない。また、屋内飼育には猫の交通事故や感染症を防ぐメリットがあると指摘する声もある。

   新潟県生活衛生課はJ-CASTニュースの取材に対し、条例改正に向けた動きは「時代を考えれば、当然の流れでしょう」と答えた。実際、千葉県や京都市など、すでに「猫の屋内飼育」を飼い主の努力義務として条例に盛り込んでいる自治体も多い。

「野良猫への餌やりを原則禁止とする」条例も

   こうした飼育基準が導入される背景には、野良や放し飼いの猫による「地域トラブル」の問題がある。13年8月に同様の条例を施行した新潟市の動物愛護センターは、

「市民から寄せられる苦情のほとんどが、猫によるトラブルです。苦情の内容を見ると、糞尿被害や鳴き声による騒音を訴えるものが目立ちます。また、猫が畑などを荒らし、作物などに被害を与えるケースも少なくありません。我々としても『屋内飼育』や『不妊・去勢手術』の呼びかけは以前から続けていましたが、条例が施行されて以降は、より強く『指導』することが可能になりました」

と語る。

   猫と地域をめぐる問題の解決はそう簡単ではない。15年8月に和歌山県が「野良猫への餌やりを原則禁止とする」条例改正案を発表したことがあった。猫に関する苦情や殺処分数が多いことを受け、野良猫の無秩序な繁殖を防ぐ目的で作成されたものだ。

   しかし、県がこの改正案についてパブリックコメントを募集したところ、「野良猫を餓死させようとするのか」などと批判的な意見が殺到。県は15年11月に、「衰弱した野良猫への餌やりや、継続しない1回の餌やりなどは認める」とした修正案を改めて発表している。

   実は、話題を呼んだ和歌山県の改正案にも、新たに猫の屋内飼育を努力義務とする記載があった。和歌山県食品・生活衛生課によると、寄せられた意見の多くは野良猫への餌やりに関するもので、屋内飼育について反対する声はほとんどなかったという。

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