隈氏「両方の差は、はっきりしております」
隈氏も、もちろん反論している。8万人という規模の観客に対応するためには、3層のスタンドは「一番合理的」なアイデアであり、重なったとしてもおかしくはないし、そのスタンドの形状も、ザハ氏案とは別物だ――と22日の会見で語り、
「両方の差は、はっきりしております」
と自信たっぷりに言い切った。
今回、A案が採用を勝ち取ったのは、建設までの時間が限られる中で、工期の面での優位性をアピールできたことが大きかったとされている。
しかし、選考前の段階で、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、「外側だけ見るとB案の方がいい」「A案はお墓のよう」などとB案に肩入れするような発言を繰り返したため、「森会長の意向で決まったと思われないため、あえてA案にしたのでは」と勘繰る声もある。B案の伊東氏も、森氏の発言に「まずいな」と内心思っていたと、会見で言及した。
ザハ氏の今後の動き次第では、森会長の「失言」が、さらなる禍根の種になることも予想される。