豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、水害で大きな被害を受けた茨城県常総市で、水害の対応にあたった市職員に支払われた残業の額が市議会で問題になっている。質問した議員は無償で復旧作業にあたっているボランティアを引き合いに出しながら、こういった状況に「市民から疑問の声が上がっている」などと指摘したと報じられている。
この部分だけ読めば職員は「タダ働きさせよ」とも読める発言で、議員のブログには批判が殺到し「炎上」。議員は、記事が「質問の内容を正確に伝えていない」と反発している。
金額が明らかになると「傍聴席の市民から大きなため息が出た」?
常総市では水害が発生した2015年9月10~30日にかけて管理職を含めて職員492人が残業し、この21日間の平均残業時間は約139時間。最も多い人は342時間だったという。部長をはじめとする管理職には、管理職特別勤務手当が平均で約11万9000円支払われ、一般職員の中には、9月分の給与が残業代込みで100万円を超えた人が主査級中心に十数人いた。残業代は総額で約1億3000万円にのぼったという。
これらの金額は、15年12月4日に開かれた市議会の一般質問で、遠藤章江(ふみえ)議員の質問に対する市側の答弁の中で明らかにされた。このやり取りは毎日新聞が12月5日に、朝日新聞が翌12月6日に報じている。毎日新聞によると、金額が市側から明かされると
「傍聴席の市民から大きなため息が出た」
といい、遠藤議員は「給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた」とされる。