男性にも「生理」があるのか――。インターネットで、その真偽をめぐって話題になっている。
英国のウェブサイト「vouchercloud.co.uk」の調査によると、男性のうち4分の1は毎月ふだんとは違う「男性の生理日」が来ると感じているとされ、この期間中は疲労やイライラ、過食といった、女性の「PMS(月経前症候群)」に似た症状を呈するという。
女性の3分の2がうすうすわかっていた?
英国の「vouchercloud.co.uk」は、少なくとも1年間以上、結婚生活を続けている成人の男女2412人(男女比率は半分ずつ)を対象に調査を実施した。それによると、男性の26%が「毎月、ふだんとは違う『男の生理日』が来ると感じている」と答えた。
人民網日本語版が2015年12月1日付で、「男性の4分の1、毎月来る『男の生理日』を自覚」の見出しで報じた。
「男の生理日」の症状トップ3としては、「イライラ・不安」が56%、「ふだんより疲れやすい」が51%、「つい食べすぎてしまう」が47%となった。
また、約3分の2の女性が「夫が毎月、数日間はそのような日々を過ごしていることがわかる」と答え、5分の1の女性が「夫がこのような感情面での不調を処理する様子は、女性である自分より大変そうと感じていた」という。
女性も男性の姿をみて、「PMS(月経前症候群)」のような症状ではないかとうすうすわかっていたのかもしれない。
「生理」というと、女性だけにみられるものと考えるのが一般的だ。通常、女性ホルモンのバランスは28~35日周期で変化しており、それにあわせて子宮内膜が妊娠に備えて成熟。妊娠しなかった場合に内膜が剥がれ落ちて、出血となって身体の外に出て行く。なかには痛みをともない、出血が1週間近くにわたるなど経過がひどい女性もいる。
そんな「生理」が男性にもあるということらしい。
インターネットには、
「さすがにウソやろ、ないない」
「イライラや不安ってwww それなら俺、毎日が生理だわ」
「『イライラ』が生理って言われてもねぇ」
といった声が寄せられている。
どうやら、多くの人が半信半疑のようだ。
骨盤の開閉が周期的に起こる「骨盤周期」が原因
とはいえ、女性の「生理日」にみられる「PMS(月経前症候群)」に似た症状が、男性にまったくないとは言いきれないようだ。もちろん、女性のように出血や生理痛があるわけではない。「生理」の原因は、「骨盤」にあるとの見方がある。
女性の場合、出産時に骨盤が一時的に緩む。それにより赤ちゃんが産道を通って母体から出てくることができるのだが、ふだんは生理周期(約2週間周期)に連動して、生理前後には骨盤が開き、排卵日前後に骨盤が閉まることを繰り返す。
そのため、女性は骨盤が開く生理のときはイライラしたり落ち着きがなかったりと不調を訴えるが、骨盤が閉まるときは身体的にも精神的にも好調とされる。
じつは、そういった骨盤の開閉が周期的に起こる「骨盤周期」は、わずかだが男性でも起こっていて、「睾丸周期」とも呼ばれているという。
不妊治療や骨盤矯正に詳しい、自律神経専門整体K‐styleの岩城憲治院長は日々の臨床から、「睾丸周期は身体の骨盤の開閉と密接な関係があり、『骨盤周期』と『睾丸周期』は同様ととらえています」と指摘する。
外的環境による身体の適応力によって変わるので「必ずではない」としたうえで、「骨盤は女性も男性も決まった周期で開いたり閉じたりしています。骨盤が閉まっている時期は身体を動かしやすく精神的にも好調で、このとき男性は精子がどんどん生産されます。一方、骨盤が開いているときは身体がだるく気持ちもふさぎがち。精子の生産も中止される低潮期で勃起機能も低下します」と説明する。
こうした「メンズ生理」は、表立ってはわかりにくいものの、集中力が落ちたり、身体がだるかったり、気持ちが落ち込みがちだったりすることでわかるということらしい。そんなときが、骨盤が開いている、「男性の生理日」のサインなのかもしれない。
ちなみに、「睾丸周期」に女性の生理のような閉経があるかどうかはわからないという。