これまではフェイスブック(FB)が主流だと思われてきたソーシャルメディアの勢力図の変化が鮮明になりつつある。米国で行われた調査では、フェイスブックの成人利用者はすでに「頭打ち」。10代の若者では、すでにフェイスブックを最も重要視している人に割合は大幅に減少している。
代わりに台頭しているのが、写真共有機能が特徴のインスタグラムといったSNSだ。画像重視の傾向が追い風になったとみられる。日本でもフォロワー(登録読者)が100万人を超えるインスタグラムの使い手が続々と登場しており、遠くない時期に米国と同様にフェイスブックに迫ることになりそうだ。
FB最重要視は3年で3分の1、インスタは3倍に
米国のシンクタンク、ピュー研究所の調べによると、米国の成人(18歳以上)のインターネット利用者のうち、12年にインスタグラムを利用していた人は15%だったが、15年は31%と倍増した。ピンタレストは12年に13%だったが、15年は28%だった。やはり倍増に近い。
これに対してフェイスブックの利用率は、12年は67%で、13~15年はそれぞれ71%、71%、72%と推移した。減少こそしていないものの、完全に頭打ちになっていることが分かる。
それよりも下の世代では、この傾向はさらに顕著だ。米投資銀行のパイパー・ジャフリーが13~19歳に対して「最も重要なSNS」を尋ねたところ、15年秋の調査で最も多かったのはインスタグラムで33%。2番目に多かったのがツイッターの20%で、3番目はスナップチャットの19%。フェイスブックは4番目に多い15%だ。12年秋の調査でフェイスブックを挙げた人は42%いたが、インスタグラムを挙げた人は12%に過ぎなかった。わずか3年で、フェイスブックを最重要視する人は3分の1ほどに激減し、インスタグラムは3倍近くに伸びたことになる。
この2つの調査は、ぞれぞれ「利用率」と「最重要視するSNS」を聞いており、単純に比較することはできない。それでも、「フェイスブック離れ」と「インスタグラム急上昇」という共有の傾向を読み取ることはできそうだ。