横浜市都筑区の大型マンション「パークシティLaLa横浜」が傾斜している問題に伴い、旭化成グループのブランドイメージが大きく失墜している。
杭打ち工事を請け負った旭化成建材と親会社の旭化成が2015年10月20日に謝罪したものの、グループ全体の評判はガタ落ち。戸建て住宅の「ヘーベルハウス」を主力とする住宅事業の旭化成ホームズにもその影響が及んでいる。
ヘーベルハウスの「杭打ち」にも不安が・・・
旭化成建材と親会社の旭化成は、傾いたマンションの杭の本数や長さ、杭を固めるセメント量などの杭打ちデータの改ざんについて、旭化成建材内でこまめにデータがチェックされなかったことで改ざんが拡大したと説明。「チェックやデータ管理のあり方に不備があった」と明かした。
会見では、「今までの信頼に感謝し、今回のことを深く深く反省している」と、旭化成の浅野敏雄社長が涙ながらに謝罪したものの、原因については「調査中」「全力をあげます」といった言葉が繰り返され、歯切れが悪かった。
こうしたずさんな地盤調査に杭打ちデータの改ざんと、あまりにお粗末な事態に、「うちは大丈夫なのか?」と思った人は少なくないだろう。まして「旭化成」がかかわった物件となると、不安が膨らんでいくのも無理からぬところ。
戸建て住宅の「ヘーベルハウス」を手がけてきたグループの、旭化成ホームズのほうにも「大丈夫なのか」といった問い合わせが相次いで寄せられている。
「へーベルハウスの杭打ちは、子会社の旭化成建材じゃないのか?」といった不安を抱く人が少なくないようだ。
そうしたなか、旭化成ホームズは2015年10月16日、「旭化成建材における杭工事施工不具合および杭工事施工報告書のデータ転用・加筆について」と題した文書をホームページに公表。ヘーベルハウスの杭打ちについて説明している。
それには、「グループ会社として深く反省し、心よりお詫び申し上げます」としたうえで、「今回の事案となった旭化成建材が施工した大規模建築物用の杭仕様・工法は、当社のヘーベルハウス・ヘーベルメゾンには使用していないということを確認しております」としている。
J‐CASTニュースの取材に、同社は「戸建て住宅とマンションなどでは杭の仕様や工法が異なります」と説明。ヘーベルハウスで使用している杭打ちは旭化成建材のものではないということのようだ。